資産をどう引き継ぐ?

何をどのように引き継ぐのか? 次世代に引き渡すことだけがベストだとは限りません。 ご本人やご家族の想いをカタチにすることが大切です。

何代も続く商家で生まれ育ったAさん(70代・男性)にとって、商売が日常でした。また自分が家督を継いで商売や土地を守っていくことも、生まれた時から決まった道だったといいます。

広大な敷地に築100年を超える立派な建物。価値あるものではあるけれど、メンテナンスや固定資産税、庭木の剪定など、維持管理の費用・労力も大きな負担となっていました。

しかし、ご長男はサラリーマン、ご長女は嫁いで専業主婦、2人のお子様は商売を継ぐ意向はありません。

商売の心労を、子供達に引き継がせたくない

Aさんご自身も、家業に関わって60年以上経ち 「寝ても覚めても商売。近所づきあいも含めて、自分が長らく関わって来たこの商売の心労を、子供達に引き継がせたくない。2人の子供達には、家業や土地に縛られず、好きな人生を生きて欲しい」との想いをお持ちでした。

ご相談の当初は 「土地や建物をどう扱えば良いか?」というご質問を頂きました。 立地の良い場所でしたので、アパート・マンションによる有効活用も選択肢の候補に挙がりましたし、そういった業者からの営業話も多々あったといいます。

土地の有効活用による賃貸住宅の建設は、あくまで「経営」だということをご説明のうえ 何度も議論を重ねるにつれ、 ご意向に添わないということが、私たちもAさんご自身も、理解が深まりました。

生前の対策、遺言書の作成

結果的に、Aさんはこの土地は売却をするご決断をされました。 「決定までは、あまり公にしたくない」とのご意向から ポータルサイト等には掲載することなく、弊社のネットワークを活用してスムーズに売却を進めることが出来ました。

その後は相続税評価額の圧縮も兼ねて、終の棲家となるマイホームを購入され、今は悠々自適の暮らしをされています。

今回のご相談を機に、遺言書の作成にも取り組まれたAさん。 「自分の想いや、資産を棚卸しする良い機会になった」と感謝のお言葉を頂きました。

オーダーメイドの対策を

このように、相続対策で大切なことは「何らかのゴールありき」ではなく、また節税や継承のみに捉われることでもありません。

相続対策とは それぞれのご家族の意向をくみ取り、共に作り上げていくオーダーメイドのプロジェクトなのです。

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