建売住宅を探していると、ネットや広告に掲載されている価格に「土地代は含まれているの?」「土地代は別で必要なの?」といった疑問を抱くことはありませんか?
掲載価格に土地代が含まれているかいないかによって、購入者が支払う金額は大きく変わってくるので、不安に思っているという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、建売住宅に土地代は必要なのかについてや、建売住宅を購入することのメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
建売住宅の土地代に関して注意すべきポイントなどについても詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
建売住宅の販売価格と土地代
建売住宅を購入する際に多くの人が気になるのが、ネットや広告に掲載されている価格に土地代が含まれているのかという点。
結論から言うと、建売住宅の販売価格として掲載されている価格には、土地代が含まれています。
そのほかにも、外構工事代や付帯工事の費用も含まれているので、購入時に支払う金額が販売価格と大きく変わることはありません。
※物件によっては別途費用が必要な場合がありますので、担当者の方にご確認ください。
建売住宅とあわせて検討されることが多いのが注文住宅。
間取りや設備などを自由に設計できる注文住宅の場合は、建物本体の価格のみが掲載されています。
注文住宅の場合は、土地代や外構工事、付帯工事の費用が別途必要です。
建売住宅で土地代以外にかかる費用
建売住宅では、掲載価格と支払額に大差がないことは説明しましたが、掲載価格以外の費用が一切かからないかと言われるとそうではありません。
建物本体代と土地代以外にかかる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
建売住宅の購入にかかる建物本体代と土地代以外の費用の内訳を紹介します。
・諸費用
・オプション工事代
住宅の購入は、高額な費用がかかります。それにともなって、諸費用やオプション工事代も高額になりがち。
それぞれどのような場面で費用が発生するのかについて、事前に把握しておきましょう。
ひとつずつ詳しく見ていきます。
諸費用
建売住宅の購入の際にかかる主な諸費用を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
仲介手数料 | 不動産会社に対して支払う報酬 |
不動産取得税 | 不動産を取得する際に発生する税金 |
印紙税 | 取引のために作成された書類に対して発生する税金 |
登録免許税 | 登記の際に必要な税金 |
司法書士等への依頼料 | 登記代行の依頼料 |
事務手数料・保証料 | ローンを組むために必要な費用 |
火災保険料 | 火災保険に加入するための費用 |
建売住宅購入時の諸費用として必要な費用の相場は、一般的に購入価格の5〜10%ほどと言われています。
4,000万円の住宅を購入するなら、諸費用として200〜400万円ほどかかるということになります。掲載されている価格以外にも高額な資金が必要になるということです。
掲載価格とは別で必要になる費用なので、諸費用についても頭に入れて資金計画を立てましょう。
オプション工事代
建売住宅では生活に必要な全ての設備が用意されているかというと、決してそうではないことも。メーカーによっては、標準装備では必要最低限の設備しか搭載されていないことも少なくありません。
そのため、別途オプション工事代が必要になることも多いのです。
網戸やカーテンレール、室内干し設備を設置したり表札を追加したりといった工事は、オプションとなり、追加で費用が発生します。
エアコンや照明などもオプションで購入する必要がある場合が多く、オプション工事代として400〜500万円ほどかかる可能性があることを想定しておくと安心です。
建売住宅を購入するメリット
建売住宅か注文住宅かで悩んでいるという人も少なくないですよね。
ここでは、建売住宅だからこそ得られるメリットを4つ紹介します。
建売住宅を購入するメリットは以下の通りです。
・土地代を抑えられる
・入居までのスケジュールが立てやすい
・実物を確認して購入できる
・将来売却がしやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
土地代を抑えられる
販売価格に土地代が含まれているのが建売住宅。決して土地代がかからないという訳ではありません。
しかし建売住宅の場合は、広い土地をまとめてハウスメーカーが仕入れ、その土地を分割して建設・販売しています。
そのため、建売住宅では注文住宅と比較して土地代を抑えられる傾向があります。
さらに、土地に関する余計な費用がかからないという点もメリットです。
仮に、土地を単体で購入しようとすると、土地の整備や水道、電気、ガスといったインフラの整備からする必要がある場合もあります。水道管の引き込みのために数百万円ほどの費用がかかることも。
建売住宅は、すでに完成している住宅を購入するため、このような土地代に関する余計な費用がかかる心配がありません。
入居までのスケジュールが立てやすい
建売住宅は、すでに完成している住宅を購入することが多いので、入居までのスケジュールが立てやすいというメリットも。
注文住宅の場合、ハウスメーカーと契約してから間取りや設備の設計をし、着工、引き渡しという流れで進んでいきます。発注した資材が到着せず、工事が勧められないといったことも起こり得ます。
理想の住まいを実現するために、想定以上に期間がかかってしまうことも少なくないため、入居までのスケジュールが立てにくいです。
仕事や学校の都合等で、入居時期が限定されているという方には、建売住宅がおすすめと言えるでしょう。
実物を確認して購入できる
建売住宅では、事前に実物を確認して購入できるというメリットがあります。
実際に購入しようとしている物件の周辺環境や間取り、設備などを事前にチェックすることで、入居後の生活がリアルにイメージできるでしょう。
ハウスメーカーのモデルハウスやショールームなどで事前に間取りや設備の使い勝手などを確認することもできます。
注文住宅では、実際に住み始めて、「思ってたのと違った!」というギャップが起きることも少なくありません。
建売住宅では、このようなギャップを軽減できる点も大きなメリットです。
将来売却がしやすい
建売住宅は、広い土地に複数の住宅をまとめて建設しているのが特徴。幅広い層をターゲットに設定することで、多くの人に受け入れられやすい、シンプルで使いやすい間取りや設備になっています。
また、建売地に建てられる建売住宅は、周辺環境も整っていることがほとんど。駅や学校、病院などの生活に必要な施設が近くにあることも多い傾向にあります。
多くの人に受け入れられやすい間取りや設備、外観で、周辺環境が整っている建売住宅は、将来的に売却を考えた時にも、買い手が見つかりやすいというメリットがあります。
建売住宅を購入するデメリット
メリットが多い建売住宅ですが、いくつかのデメリットも。
建売住宅を購入する主なデメリットは以下の通りです。
・間取りやデザインなどの自由度が低い
・施工会社が選べない
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
間取りやデザインなどの自由度が低い
すでに完成している住宅を購入する建売住宅は、間取りやデザインなどの変更ができません。
さらに、分譲地に建てられる建売住宅は、周りの住宅とデザインがほとんど同じという特徴も。
マイホームに対するこだわりが強く、個性やオリジナリティを出したいと思っている人にとっては物足りないものになってしまう可能性もあります。
ただ、建売住宅でも、壁紙を選択できるものなど、デザインに幅を持たせている場合もあります。
施工会社が選べない
建売住宅では、あらかじめ施工会社が決められているため、自分たちで選ぶことができません。
そのため、購入を検討している物件を施工した会社の実績や信頼度などについてもリサーチしておきましょう。
住宅は、経年によってメンテナンスが必要になります。施工会社のアフターメンテナンスについても調べておくといいでしょう。
住宅のアフターメンテナンスのサービスは、施工会社によって大きく異なります。必ず事前に確認しておきましょう。
建売住宅と注文住宅の費用の違い
建売住宅と注文住宅とでは、かかる費用に大きな違いがあります。
ひとつ目は、注文住宅では土地代が掲載価格に含まれていないという点です。
すでに土地を持っていたり、住みたいエリアが決まっていたりという事情がある人にとっては、注文住宅がおすすめと言えます。
ふたつ目は、建売住宅では掲載価格に含まれている付帯工事費用が別途必要であるという点。
地盤の改良工事や造成工事、外構工事などの工事が付帯工事の対象となります。
付帯工事費用は、土地の状態などによって費用が大きく変わってくるので、購入する土地が決まるまで予算が立てにくいので注意が必要です。
建売住宅の価格から土地代を推測する方法
建売住宅は、建物本体と土地がセットになって販売されており、それぞれの金額が掲載されているわけではありません。
そのため、建売住宅の掲載価格を見て、土地代がいくらぐらいかかっているのか気になっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建売住宅の掲載価格から土地代を推測するには、消費税額を確認して割り出す方法が有効です。
ただし、建売住宅の消費税額については、売買契約書を確認しなければわからないため、実際の契約の段階になるまでは、土地代を計算して推測することは現実的には難しいです。
建売住宅では、建物本体代は消費税の課税対象ですが、土地代に関しては非課税です。そのため、掲載価格の中のいくらが消費税額なのかがわかれば、おおよその土地代を割り出すことができます。
例えば、掲載価格4,000万円で消費税額が200万円の建売住宅を購入する場合。現在の消費税の税率は10%なので、以下の計算式で建物本体代を計算できます。
200万円(消費税額)÷0.1(税率10%)=2,000万円(建物本体代)
この計算をすることで、建物本体代が2,000万円であることがわかりました。
掲載価格から建物本体代と消費税額分の金額を引くことで、土地代を割り出すことができます。
4,000万円(掲載価格)-2,000万円(建物本体代)-200万円(消費税額)=1,800万円(土地代)
この計算によると、今回購入しようとしている建売住宅の土地代は1,800万円であると推測できます。
建売住宅の土地代に関するポイント
建売住宅を購入する際の土地代に関して注意しておきたいポイントを2つ紹介します。
・仲介手数料がかかる
・未施工分の経費がかかる可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仲介手数料がかかる
建売住宅を購入する場合、不動産会社に仲介してもらうケースがほとんどです。
不動産会社に仲介してもらう場合、購入者は不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。
特に建売住宅の場合に注意が必要なのが、土地代だけでなく建物本体代まで仲介手数料の計算の対象となる点です。
注文住宅の場合、ほとんどのケースで土地の購入を不動産会社に仲介してもらい、建設についてはハウスメーカーや工務店に依頼をします。この場合、不動産会社に支払う仲介手数料は土地代にのみ発生します。
建売住宅の方が、仲介手数料にかかる額が大きくなる点には注意しましょう。
仲介手数料は購入価格から消費税を抜いた金額の3%+6万円になります。
上述の4,000万円の建売住宅を、不動産会社の仲介で購入する場合、132万円の仲介手数料が必要です。
ただ、仲介手数料は売主から直接購入する場合は不要です。売主が直接販売している建売住宅であれば、大きな費用削減になります。
仲介手数料は、成功報酬となっており、売買契約が成立して初めて発生する費用であることも知っておくといいでしょう。
未施工分の経費がかかる可能性がある
建売住宅でも、すでに完成しているものばかりではないこともあります。これから工事がおこなわれる部分に関して、別途費用が必要となる可能性も頭に入れておきましょう。
特に外構工事などは未施工の状態であることも少なくありません。この場合、別途外構工事費用が発生するのかを事前に確認しておくといいでしょう。
まとめ
建売住宅とは、建物本体と土地がセットになって売られている家のことです。
そのため、建売住宅の掲載価格には土地代が含まれています。
ただ、土地代以外にも諸費用やオプション工事代が必要となることも頭に入れておく必要はあるでしょう。
住宅の購入には、建売住宅でも注文住宅でも資金計画がとても重要です。
理想のマイホームを実現するために、計画的に予算を組むようにしましょう。