
皆さんはご自身のスキンケア、どんなことをされていますか?
女性なら、洗顔や保湿など色々されている方も多いと思いますが、皆さんはご自身のお子さんにも何かスキンケアをされていますか?
子どもにスキンケア?と思われるかもしれませんが、実は子どもにこそスキンケアは必要なんです。
そのうちの1つ、保湿。
保湿と聞くと、乾燥肌対策を思い浮かべがちですが、赤ちゃんにも保湿は必要なのでしょうか。
今回は、多くのママが悩む「赤ちゃんに保湿はしたほうがいいのか?」について解説します。
赤ちゃんに保湿が必要なワケとは
実は、赤ちゃんのお肌はぷにぷにしていてみずみずしい感じがしますが、月齢によってはとっても乾燥しやすいんです。
上図は大人の健康なお肌の状態(左)と乾燥肌のお肌の状態(右)を表したものです。
図を見てわかるように、左のお肌は角質層の角質細胞が綺麗に並んでいることと皮膚表面を皮脂膜と呼ばれる天然のクリームがお肌を覆っていますが、右のお肌は角質細胞が綺麗に並んでいないことと皮脂膜によってお肌がきれいに覆われていません。
右図の状態だと外部からの刺激に弱いことと、肌内部の水分が外に逃げやすくなっているのです。
赤ちゃんのお肌の状態は右図に近く、乾燥肌になりやすい状態です。
ここでは、新生児期の赤ちゃんから生後2~3ヶ月ごろの赤ちゃんのお肌の状態について解説します。
赤ちゃんのお肌の状態:新生児期
上の図は、皮脂膜の材料となる皮脂の分泌量を表したグラフです。
新生児期は皮脂の分泌量が多いので、赤ちゃんの新生児ニキビなどの原因になります。
なので洗ってあげることで余分な皮脂を落とす必要がありますが、洗いすぎるとせっかくの皮脂を全て落としてしまうことにもつながりますので、赤ちゃんの体を洗う際は1日1回程度に抑えておきましょう。
また、皮脂の分泌量が多いなら何もしなくてもいいわけではありません。
新生児の赤ちゃんのお肌はデリケートなことには変わりありませんので、赤ちゃんのお肌を守るためにも保湿ケアはしてあげましょう。
赤ちゃんのお肌の状態:生後2~3ヶ月ごろ
上の皮質分泌量を表したグラフを見てもらうと分かりますが、生後2~3ヶ月になると、赤ちゃんの皮脂の分泌量は急激に少なくなります。
新生児期から続けて保湿ケアをしてあげることが望ましいです。
それから思春期にかけて皮脂の分泌量は増えていきますが、10歳までは十分ではありません。
できれば10歳までは大人がお子さんに保湿ケアをしてあげましょう。
赤ちゃんのお肌のための保湿剤とは
ここでは、赤ちゃんのお肌のために使える保湿剤のタイプについて紹介します。
大人用の保湿剤でもいいの?と思われる方もいらっしゃいますが、前述した通り赤ちゃんのお肌は大人に比べてとてもデリケートなので、初めは赤ちゃん向けに作られたものを使うようにしましょう。
赤ちゃん向けの保湿剤について、具体的には以下の種類があります。
・保湿ローション
・保湿クリーム
・オイル
・スプレー
それぞれを詳しく見ていきましょう。
保湿ローション
浸透性が高く、肌にうるおいを与える保湿剤です。
水分量が多く、油分が少ないため、べたつかずさらっとしたテクスチャーが特徴。
伸びがよいため、全身に塗りやすいメリットもあります。
肌に目立った乾燥がないときや、夏の使用がおすすめですが、重ね塗りをすることで年中使用することも可能です。
保湿クリーム
ローションに比べて油分が多く、オイルよりは少ない保湿剤です。
肌にうるおいを与える効果と、肌からの水分の蒸発を抑えて肌を保護する効果の2つがバランスよく含まれています。
ほかの保湿剤に比べて硬めのテクスチャーで伸びにくく、ベタつくこともありますが、効果の持続性は高い点がポイントです。
肌に目立った乾燥があるときや、冬などの乾燥が気になる時期に使用するのがおすすめです。
オイル
油分で肌の表面に膜をつくり保護する保湿剤です。
ローションのような浸透性はないため、肌にうるおいを与える力は弱いですが、うるおいを閉じ込める効果は高いです。
伸びがよいなめらかなテクスチャーが特徴で、ローションより少しベタつきがあります(ベタつきのない製品も登場しています)。
油分は、ミネラルオイル(石油が原料の鉱物油)、オリーブオイル、ホホバオイルスイートアーモンドオイルなどが使われます。
種類によっては肌に合わない可能性もありますから、選び方に注意しましょう。
肌に目立った乾燥があるときや、冬などの乾燥が気になる季節、塗りながらベビーマッサージなどを行う場合の使用がおすすめです。
スプレー
スプレータイプは簡単に広範囲に保湿成分を当てることができます。
効果は保湿ローションと同程度です。
顔にスプレーをしたい場合は目に入る心配がありますので、一度大人の掌にスプレーを当ててから顔に塗るようにしましょう。
赤ちゃんの保湿剤を選ぶポイント
ここでは、赤ちゃんの保湿剤を選ぶポイントについて解説します。
先に紹介した保湿剤のタイプや成分なども考慮し、赤ちゃんにあった保湿剤を選ぶようにしましょう。
成分を確かめる
赤ちゃんの肌に優しく使える保湿剤を選ぶときは、鉱物油や香料、着色料などの刺激になってしまう可能性のある成分が入っていない、無添加の保湿剤を選ぶようにしましょう。
ヒアルロン酸やセラミドなどは保湿力やバリア機能を高めると言われているので、そのような成分が入っているものを選ぶこともポイントです。
保湿剤のタイプ
赤ちゃんの保湿剤を選ぶ際には、まず赤ちゃんのお肌の状態を把握しましょう。
赤ちゃんのお肌が脂っぽくベタベタしているような状態であれば、さっぱりと使えるローションタイプの保湿剤を、乾燥してカサカサしている場合には、クリームなどの保湿力が強いものがおすすめです。
そのときの赤ちゃんのお肌の状態に合った保湿剤を選んで使うことが、赤ちゃんのスキンケアの重要なポイントになります。
クリームのベタつきが気になる方は、保湿力の高いオイル入りのローションがおすすめです。
赤ちゃんのお肌はサラサラしていて、ぷにぷにと弾力があるので、乾燥していないと勘違いしがちなので注意しましょう。
パッチテスト
低刺激の保湿剤でも赤ちゃんによってはお肌に合わないこともあり、赤くなったりかぶれてしまう可能性もあります。
そのため、赤ちゃんのお肌につける前に、まず大人のお肌に塗って試してみましょう。
自分のお肌で試してみて問題がないようであれば、ごく少量の保湿剤を赤ちゃんの太ももなどに塗ってパッチテストをしてあげてから、使うようにすると安心です。
赤ちゃんに保湿剤を塗るときのポイント
赤ちゃんのために毎日行う保湿ケア。
方法や注意点をしっかりと学んでおきたいところですよね。
ここでは、保湿剤を塗るときのポイントについて紹介します。
また、赤みやブツブツ、肌荒れなどがないかの確認も忘れずに行いましょう。
肌を清潔にする
保湿ケアを行う際は、事前に肌の清潔を確認し、汚れなどを落としておくことが大切です。
汚れがある場合は、お風呂で体を洗ったり、優しくふき取ってあげてから保湿剤を塗るといいでしょう。
こすらず優しく伸ばすように
赤ちゃんの保湿剤を塗る時は、ごしごしと強くこすらずに、優しく伸ばすように塗りましょう。
赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の半分しかなく、摩擦による刺激に弱いです。
優しく塗ることが赤ちゃんの肌を傷つけずに守るポイントです。
また、冬場はそのまま保湿剤を赤ちゃんの肌に付けると、赤ちゃんは冷たくてびっくりするかもしれません。
保湿剤が冷えている場合は、赤ちゃんの肌に塗る前に大人の掌に保湿剤を取り出し、温めてから縫ってあげましょう。
全身に塗る
赤ちゃんの保湿剤は、赤ちゃんの全身に塗りましょう。
特に塗り忘れが多いのが、以下の部位です。
・耳、耳の後ろ側
・首の後ろ側
・脇
・足の付け根
顔に塗る場合は、真ん中から外に伸ばすように塗ってあげましょう。
赤ちゃんに保湿するタイミングは?
ここでは、赤ちゃんにいつ保湿をするのか?ということについて解説します。
赤ちゃんに保湿ケアするタイミングは以下の通りです。
①お風呂上り
②起床時
③オムツを変えるとき
④体を拭いたとき
⑤外出前後
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①お風呂上り
お風呂上りは汚れとともに皮脂が洗い流されている状態なので、タオルドライした後はなるべく早めに、できれば入浴後5分以内ぐらいに保湿するようにしましょう。
②起床時
実は寝ている間に肌の水分が逃げ、肌が乾燥しています。
朝に保湿することで、一日のバリア機能を強化して乾燥予防が期待できます。
寝汗などはきちんと拭き取って、清潔な肌に保湿ケアをするようにしましょう。
③オムツを変えるとき
オムツかぶれを防ぐためにも保湿ケアは有効です。
皮膚のシワ部分にもしっかり保湿剤を塗りこみましょう。
④体を拭いたとき
顔や体の汗を拭いたり、食事のあとに口元を拭いたら、摩擦で肌が乾燥しやすいため、保湿ケアで補ってあげましょう。
⑤外出前後
紫外線は肌の乾燥を招くため、外出前には乾燥予防として、外出後はアフターケアとして保湿してあげましょう。
また、外出後は汚れや汗をふきとった後に保湿ケアをしてあげるといいでしょう。
赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためにも保湿は忘れずに!
今回は、多くのママが悩む「赤ちゃんに保湿はしたほうがいいのか?」について解説しましたが、いかがでしたか?
実は新生児期から保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症リスクを30~50%抑えられる、という研究データも出ています。
(国立成育医療研究センター(東京)の大矢幸弘アレルギーセンター長(62)らが2014年に発表した研究成果)
保湿をすることによって100%アトピー性皮膚炎にならない、という訳ではありませんが、赤ちゃんの肌トラブルを少しでも減らせるなら減らしたいですよね。
今現在、保護者が誤ったネット情報や知識に振り回されている状況も多いですが、正しい知識を身に付けて、お子さんのお肌を守っていきましょう。
この記事がこれから出産される方、新米ママの参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。