産まれたばかりの赤ちゃんは、小さくて弱弱しい。
だから菌やウイルスに弱い?
病気になりやすい?
そんな風に不安になる親御さんも多いのではないでしょうか。
そもそも赤ちゃんってどれくらい免疫がある?
赤ちゃんの免疫力を高める方法ってある?
今回は多くのママが疑問に思う「赤ちゃんの免疫について」や「赤ちゃんの免疫力を高める方法」について解説します。
これから出産される方、子育て真っ最中の方、ベビーマッサージに興味がある方に見ていただければ幸いです。
そもそも赤ちゃんの免疫機能ってどうなっている?
ここでは、赤ちゃんの免疫機能はどうなっているのか、について解説します。
・免疫の仕組み
そもそも皆さんは、免疫がどういった物かご存じでしょうか。
簡単にいうと、「免疫とはウイルスや細菌、微生物などから身体を守る仕組み」のことです。
人間の身体はさまざまな細胞から成り立っており、健康な状態を保つためには外部から侵入したウイルスなどの異物に細胞を攻撃されたり、寄生されたりすることを避ける必要があります。
自分の細胞と異物を見分け、異物のみを取り除こうとするのが免疫の特徴です。
私たちは普段気付かないうちに口や鼻から異物を取り込んでしまっていますが、その度に病気にならずに済んでいるのは免疫の働きのおかげなのですね。
そして、免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」という二つの種類があることをご存じでしょうか。
「自然免疫」は体内に異物が侵入したときに最初に働くもので、「獲得免疫」は自然免疫で対処しきれなかった場合に働きます。
◆自然免疫
自然免疫は人間の体にもともと備わっている免疫システムで、体に異物が侵入してきた際に最初に働きます。
自然免疫には体内に侵入した異物を見つけ、異物のみを攻撃する作用があります。
◆獲得免疫
自然免疫で対処しきれない場合にはたらくのが獲得免疫です。
獲得免疫は自然免疫では攻撃できない小さな異物や、細胞に入り込んでしまった異物を取り除きます。
また、体内に侵入してきた異物を記憶できるのも獲得免疫の特徴の一つです。
同じ異物が入り込んできた際は、最初のときよりも迅速に異物へ対処することが可能です。
赤ちゃんは自然免疫、獲得免疫ともに未熟です。
自然免疫が発達し始めるのが1歳半頃と言われています。
獲得免疫は、一度ウイルスなどに感染し、病原体の情報を記憶することで抗体を作ることができます。
つまり、赤ちゃんは大人と比較するとウイルスなどに感染した回数が圧倒的に少ないことから、獲得免疫も未熟なのです。
それでは、月齢別の赤ちゃんの免疫力について見ていきましょう。
・生後間もない頃はママからの免疫を受け継いでいる
生後間もない赤ちゃんは、ウイルスや細菌と戦うために必要になるIgGという免疫物質を母乳や胎盤から受け取っているため、生後間もなく~半年程度の時期は、それ以降に比べて免疫力が若干高いと言われています。
IgGは血液中に最も多く存在しており、白血球の活動をサポートし、ウイルスや細菌などを無毒化することで、多様なウイルスや細菌と戦います。
特に母乳や胎盤にはこのIgGが豊富に含まれています。
・生後6ヶ月ごろから免疫力低下
実は、ママからもらった免疫力は生後6か月くらいになると少なくなっていきます。
また、生後6ヶ月頃は、離乳食を始める時期でもあるので、それまで母乳から免疫力をもらっていた赤ちゃんは、離乳食期にはそれが少なくなります。
そのため、胎児のときにもらった免疫が弱くなるタイミングで、母乳から免疫をもらう機会がそれまでより少なくなるため、この時期から発熱や鼻水など、急に体調を崩すようになる子も多いです。
赤ちゃんの免疫力を高めるポイント
ここでは、赤ちゃんの免疫力を高めるポイントについて解説します。
具体的には以下のような方法です。
・規則正しい生活を心がける
・体温調節機能を発達させる
・予防接種を受ける
・人込みを避ける
・日光を浴びる
・ベビーマッサージをする
それぞれを詳しく見ていきましょう。
・規則正しい生活を心がける
規則正しい生活を送ることは、免疫力アップにつながります。
例えば食事の時間が不規則だと腸内環境が乱れて疫力が下がりやすくなるため、毎日同じ時間に食事をするようにしましょう。
また、良い睡眠を取ると体がリラックスし、免疫細胞が活発に働きだします。
毎日同じ時間に就寝・起床する、朝日を浴びるなどして、睡眠の質を上げることも心がけましょう。
・体温調節機能を発達させる
免疫細胞には温度が高いと活発化する性質があり、体温が1℃上がると免疫力が5~6倍上がり、1℃下がると30%下がるといわれています。
そのため、免疫力を上げるには、体温調節機能を発達させることも重要です。
体温調節に欠かせない汗腺の数は、生涯変わらないといわれています。
最近はどこも冷暖房が効いていますが、暑さを感じたり体を動かしたりしないと、汗腺が発達しづらくなります。
できるだけ外で遊ばせたり運動させたりして汗腺を発達させ、しっかり体温調節ができる体作りを行いましょう。
・予防接種を受ける
免疫力を高めるためには、予防接種もしっかり受けましょう。
予防接種(ワクチン)とは、病原性や毒性を弱めたまたはなくしたウイルスや細菌、またはそれらが作り出す毒素の毒性をなくしたものです。
予防接種によってウイルスや細菌などが体内に入ると、獲得免疫が反応して抗体を意図的に作り出します。
すると、元となるウイルスや細菌に感染しにくくなったり、感染しても軽症で済んだりするようになるのです。
せっかくワクチンという優れた予防法があるのに、それを活用しないはとてももったいないことですよね。
大切なわが子を守るためにも、ワクチンのメリットを最大限に活かしましょう。
子供の頃に受ける必要がある予防接種として、以下のようなものがあります。
・Hib
・肺炎球菌
・ロタウイルス
・B型肝炎
・4種混合
・3種混合
・2種混合
・BCG
・MR
・水痘
・おたふくかぜ
・日本脳炎
お住まいの地域によっては、自治体が予防接種の問診票などを出産後にスケジュールと共にくれるところがあります。
時期を過ぎると受けられなくなる予防接種もあるので、計画的に接種していきましょう。
・人込みを避ける
物理的に感染リスクを避けるためにも、人混みを避けることが大切です。
外出自体は生後3~4ヶ月頃にはできるようになりますが、ちょうどその頃に母親から受け取ってきた免疫の効力が少しずつ薄れてくるので注意が必要です。
また、重症化の危険性がある感染症への予防が重要である一方で、一度感染症にかかることで得られる抗体の力も無視はできません。
生後半年にもなると、赤ちゃんは何かの感染症に一度はかかっていることが多く、自らが抗体を作りだすことで、体を丈夫にするための活動をスタートさせている傾向にあります(獲得免疫)。
したがって、人混みなどを気にせずお出かけするのは、赤ちゃんが自分自身で免疫を作り始める傾向にある、生後半年以降にしましょう。
・日光を浴びる
日光(紫外線)を浴びると体内でビタミンDが作られますが、ビタミンDには免疫機能調節効果があるため、屋外で日光を適度に浴びることも免疫力アップにつながります。
低月齢の赤ちゃんの場合もベランダや庭で外気浴をさせたり、公園をお散歩させたりすると良いでしょう。
また、歩けるようになったお子さんの場合は外遊びで土や植物などに触れると、それらに生息する細菌にも触れることができます。
細菌にくっついている物質の中には、免疫力アップの効果が期待できるLPSがあります。
LPSが体内に取り込まれると、免疫細胞の一種であるマクロファージが活性化され、免疫力が高まります。
LPSは土の中や空気中に存在しているため、積極的に外遊びをするのがおすすめです。
・ベビーマッサージをする
実は、ベビーマッサージは赤ちゃんの免疫力を高める効果があるものが多数あります。
赤ちゃんの体を撫でてあげたりするだけでもリラックス効果やストレス解消などの効果があるので、赤ちゃんとたくさん愛情を込めたスキンシップをすることもおすすめです。
ベビーマッサージについて詳しく知りたい、と思ったら、お近くのベビーマッサージ教室に行ってみてはいかがでしょうか。
家族でできる!手軽に免疫力を高める方法とは?
前節では赤ちゃんの免疫力を高めるポイントや方法について解説しましたが、特別な事はしなくても簡単に免疫力を高める方法があるんです。
それは「笑う」こと。
実は、医学的・心理学的にも「笑い」が心身に健康をもたらすと立証されているんです。
また、笑顔の効果は免疫力を高めること以外にも、次のような効果もあるとされています。
・幸福感が増す
・自律神経のバランスが整う
・エイジングケア
・血流と血糖値が良くなる
・脳の働きが良くなる
笑顔の効果は赤ちゃんだけでなく大人にもある、と言われています。
笑いは脳にも体にも良く、精神的にも良い万能薬のような効能も持っているということです。
家族皆の笑顔を引き出すためにも、一番家族で過ごす時間の多い家は明るく居心地のいい環境にしていきたいですね。
赤ちゃんの免疫力は徐々に高くなる!ベビーマッサージで楽しんで高めよう
今回は、多くの親御さんが知りたいと思っている「赤ちゃんの免疫力を高める方法」について解説しました。
もちろん免疫力を高めたといっても、病気に罹るときは罹ります。
しかし、何らかの病気に罹るたびに、その病気に対する免疫を獲得して、少しずつ体が丈夫になっていくので、あまり心配する必要はないでしょう。
ただ、赤ちゃんやお子さんが少しでもいつもと様子が違う・つらそうにしている場合は、早めに医療機関を受診してください。
この記事がこれから出産される方、新米ママ、赤ちゃんの便秘が気になっている方の参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。