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犬と暮らすと抜け毛対策や掃除に悩む機会が多く、とくに換毛期は大変です。大量の毛が抜け落ちる時期やダブルコートやシングルコートのような犬種の特徴を知れば、適切な対策を講じて負担を減らせます。さらに、家を建てる際に掃除しやすい環境に整えれば、きれいな家を保つのも簡単です。今回は、抜け毛の原因や効果的な対策、換毛期の掃除のコツを紹介しますので、愛犬との快適な生活にお役立てください。

犬の抜け毛対策の前に換毛期について知ろう

換毛期のチワワの子犬

換毛期とは、季節の変わり目に犬の毛が生え替わる時期です。春から夏(7月ごろ)と、秋から冬(11月ごろ)の年に2回、換毛期があります。平均すると6〜7週間くらいの間に、古い毛が抜け、新しい毛が生えてくる仕組みです。毛が抜ける量や期間は、年齢や毛のタイプ、犬種によって異なります。

抜け毛が多いのはダブルコートの犬種

換毛期に多くの毛が抜けるのは「ダブルコート」と呼ばれる犬種で、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2種類の毛を持つのが特徴です。代表的な種類には、チワワ・ダックスフンド・ポメラニアン・秋田犬・柴犬が該当します。季節の変わり目には抜け毛が増えるため、飼い主さんは対策が必要です。

換毛期のないシングルコートの犬種

一方、上毛だけの「シングルコート」犬には、換毛期がありません。一年中、少しずつ毛が生え替わるためです。シングルコートの犬には、プードルやマルチーズ、ヨークシャー・テリアなどがいます。抜け毛が少ないとはいえゼロではないので、ある程度の対策は必要です。

犬の抜け毛対策は健康への影響を防ぐために必須

抜け毛対策でブラッシング中のトイプードル

犬の抜け毛は放置せず、こまめにお手入れする必要があります。なぜなら、犬の毛には非常に小さいハウスダストが含まれているためです。抜け毛をそのままにしておくと、ホコリが空気中に舞い上がり、人間が吸い込むとアレルギーや喘息を引き起こす可能性があります。

また、抜け毛についているフケを餌にするノミやダニが増えてしまい、犬が皮膚炎やアレルギーを起こすのも問題です。かゆさを我慢できずに身体をひっかいてしまい、さらに抜け毛が増える悪循環に陥ってしまいます。

家族全員の健康を守るためにも掃除を十分にし、抜け毛対策を怠らないようにしましょう。

家でできる犬の抜け毛対策

抜け毛対策でシャンプーする柴犬

犬の抜け毛は仕方がないものの、放置していると健康に影響を及ぼしてしまうのが難点です。どのように犬の抜け毛に対処すればいいのか、今すぐ自宅でできる5つの方法を紹介します。

ブラッシングは抜け毛対策の基本

ブラッシングは余分な毛を取り除くだけでなく、皮膚の健康を保ち、毛をきれいに保つためにも必要です。また、ブラッシングしている最中に、皮膚のトラブルや体調の変化に気づきやすいメリットもあります。短い毛の犬にはラバーブラシや獣毛ブラシを、長い毛の犬にはスリッカーブラシやピンブラシがおすすめです。毛のタイプに合ったブラシを選び、皮膚を傷つけないように優しくブラッシングしてあげましょう。

シャンプーは体をきれいにしながら抜け毛も取り除ける

犬は、毛穴に汚れがたまると抜け毛が増える場合もあります。シャンプーで毛穴をきれいにすれば、抜け毛を減らせるので効果的です。シャンプー後は、皮膚トラブルを防ぐためにタオルやドライヤーでしっかりと水分を取ってあげましょう。また、乾燥によるかゆみを防ぐため、保湿ケアも忘れずに行います。

栄養バランスの良い食事を与える

愛犬の皮膚や毛の状態が良くない場合、フードを変えてみるのも1つの方法です。栄養バランスを整え、体の内側から抜け毛の原因を改善します。ビオチンや良質なタンパク質を食べることで、皮膚や毛を健康に保ちやすくなるでしょう。犬の毛が育つのに役立つ栄養素が多く含まれたフードは、獣医師やペットショップに相談して選ぶのもおすすめです。

長い毛の犬は毛を短くカットする

トリミングすると、ブラッシングやシャンプーがしやすくなります。トリミングをしても抜け毛がなくなるわけではないものの、毛が短くなると掃除がしやすくなるというのがメリットです。ただし、毛を短くすると、ノミやダニ刺され、紫外線による肌トラブルの問題が増えます。とくに夏場や散歩際は、しっかりと対策してあげましょう。

服を着せて抜け毛が床に落ちるのを防ぐ

犬に服を着せると、抜け毛が床に抜け落ちるのを防ぐのに効果的です。抵抗がない犬に限るものの、冬は寒さ予防にも役立ちます。寒がりの犬や高齢で体温調節が苦手な犬には、おすすめの方法です。洋服を嫌がる犬でも、少しずつ慣れてくれる場合もあります。無理強いしない程度に、練習してみるのも良いでしょう。

換毛期以外の犬の抜け毛は病気の可能性も

抜け毛の症状で診察を受ける犬

犬の毛が大量に抜ける原因が換毛期やブラッシング不足のせいなら、大きな問題はありません。しかし、心当たりがないのに抜け毛があまりにも多い場合は、病気の可能性も考えられます。愛犬の抜け毛が気になる際は、以下の病気を疑ってみましょう。

アレルギー性疾患

食べ物の中に含まれるタンパク質に反応すると、目や口の周りの広い範囲で脱毛が起きます。皮膚が赤くなったり、強いかゆみを伴ったりするのも特徴です。また、大気中のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に反応して、同様の症状を訴える場合はアトピー性皮膚炎の可能性があります。食物アレルギーは1歳以下、アトピー性皮膚炎は生後6か月から3歳ごろに多く見られる疾患です。

脱毛症

犬の脱毛症には、以下のような種類があります。

・黒色被毛脱毛症

・パターン脱毛症

・側腹部脱毛症

・淡色被毛脱毛症

多くは遺伝が原因で、黒や茶色の毛がうまく育たない病気です。チワワやダックスフンドには、パターン脱毛症が多く見られます。

クッシング症候群

犬の抜け毛が、副腎の病気からきている可能性もあります。クッシング症候群は、「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されるのが原因です。発症すると、左右両側の毛が抜けやすくなるという傾向があります。ステロイドを使いすぎても同じような症状が出るため、治療で使用している場合は獣医師に確認しましょう。

皮膚炎

犬の毛が抜ける理由として、皮膚炎の可能性もあります。犬の皮膚炎の主な原因は、カビ・細菌・寄生虫です。カビが原因の場合は、「マラセチア皮膚炎」という病気にかかっているケースが多く見られます。寄生虫ではツメダニが原因で抜け毛が多くなり、細菌ではブドウ球菌が過剰に増えると抜け毛が増えるのが一般的です。

抜け毛が多いときは病院へ

犬の抜け毛が普段より多いと感じたり、脱毛部分を見つけたりしたら、動物病院に行きましょう。とくに、次のような場合は早めの受診がおすすめです。

・毛が抜ける時期ではないのに抜けたり、部分的に脱毛したりしている場合

・かゆがっている場合

・状態がひどい、または軽いけれど数日続く場合

犬の抜け毛掃除を簡単にするコツと時短テクニック

抜け毛掃除を見つめる犬

犬の抜け落ちた毛をそのままにしておくと、空気中に舞い上がって服や家具についてしまいます。犬の毛がたまると掃除が大変なので、早めに片づけることが大切です。ここでは、簡単にできる抜け毛掃除のコツを紹介します。

高い場所から順に掃除する

毛は上から下に落ちるので、まず棚やテーブルなどの高い場所から拭きましょう。次に、ソファや床を掃除します。家の中心から外側に向かって掃除すると毛が隅に集まるので、最後にまとめて取るのが簡単です。動線を考えて掃除をすると、効率的に部屋をきれいにできます。

掃除機は最後に使う

細くて軽い犬の毛は、掃除機の風で舞い上がってしまうというのが難点です。まずは、ハンディモップや粘着クリーナー、モップなどで毛を取ります。床の毛が見えなくなってから、掃除機をかけるのがおすすめです。

カーペットの掃除には工夫が必要

毛足が長いカーペットについた抜け毛は、粘着クリーナーや掃除機で取ると時間がかかります。ゴム手袋をつけてカーペットをこすると、掃除機だけでは取れない犬の毛を引き出せて便利です。ペット用の毛取りブラシやたわしでも代用できます。ただし、強くこするとカーペットを傷つけてしまうので、力加減には注意が必要です。

犬の抜け毛対策に役立つ家づくりのポイント

抜け毛対策されたフローリングに座る犬

マイホームの購入を検討中の方であれば、犬の抜け毛が気にならない家づくりをおすすめします。注文住宅でなくても対策は可能なので、以下のポイントを参考に床材や間取りを計画してみましょう。

犬の抜け毛が目立たずお手入れ簡単な床材を選ぶ

換毛期に限らず、犬との暮らしにおいて抜け毛対策は不可欠です。抜け毛が目立つ床は、色とお手入れのしやすさで選ぶと失敗しません。

フローリングは愛犬の毛色に合わせる

フローリングの色を愛犬の毛色に合わせると、抜け毛が目立ちません。ただし、柴犬のように表面の体毛が茶色や黒でも、抜け落ちる毛が白い犬種もいます。フローリングの色は、抜け毛に合わせて選ぶのがおすすめです。室内で愛犬の写真を撮る機会が多いようであれば、同系色のフローリングは犬の輪郭がぼやけてしまいます。写真映えを優先させたい場合は、あえて反対色を選んでコントラストをハッキリさせましょう。

ペット用フローリングはお手入れが簡単

ペットと暮らす家におすすめの床材として、ペット用フローリングをおすすめします。通常のフローリングよりも滑りにくく、傷がつきにくいというのが特徴です。製品によっては、犬の臭いがつきにくいものや、防音効果が高いものもあります。見た目は普通のフローリングと変わらないので、部屋の雰囲気はおしゃれなままです。お手入れも簡単なので、犬の抜け毛対策としても役立ちます。

愛犬の専用スペースをつくる

犬にも安心できる場所が必要なため、食事や留守番、就寝時に過ごす空間を用意しましょう。専用の部屋でなくても、部屋の一角をサークルで仕切ったり、大きめのケージを用意したりすれば抜け毛対策として十分です。

抜け毛と汚れ対策が簡単にできる

愛犬専用のスペースを設けると、抜け毛が落ちる範囲を狭くできます。毎日の掃除が楽になり、忙しい飼い主さんでも快適に過ごせるでしょう。抜け毛以外にも、食べこぼしやトイレの失敗による汚れ対策にもおすすめです。リビングのソファに座ったら犬の毛がソファにつくというような心配もないので、急な来客でも慌てずに済みます。

ペットのための快適な空間づくりについては、「犬と暮らす家に住みたい!ペットと快適に過ごせるアイデアやポイントを解説」をご覧ください。

犬専用ベッドで抜け毛対策

寝ている間の抜け毛対策として、犬専用のベッドで寝かせるのもおすすめです。人間のベッドよりも手軽に洗濯でき、愛犬も自分の空間でリラックスできます。ベッドカバーが外せると掃除がしやすく、麻素材だと乾きも早くて便利です。ベッド本体は月に1回、ベッドカバーは週に1回を目安に洗います。香りが強いと犬にとってストレスになるため、洗剤はペット用を使い、柔軟剤も無香料を選びましょう。

犬の抜け毛対策は換毛期に合わせたケアがポイント

抜け毛対策を終えてソファでくつろぐ子どもと犬

犬の抜け毛対策は、換毛期に合わせた対策や犬種ごとの特徴を理解することが大切です。とくに、ダブルコート犬の抜け毛ケアには、定期的なブラッシングやシャンプー、栄養バランスの良い食事が役立ちます。また、犬の抜け毛掃除がしやすい家づくりを行うと、日々の手入れが楽になり、より快適な生活が実現可能です。記事の内容を参考に、抜け毛に悩まされない家づくりと愛犬との楽しい生活を目指しましょう。

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