
愛犬と一緒に寝ると、飼い主さんは心も体も癒されて至福の時間を過ごせます。
しかし、犬と一緒に寝るためには、メリットだけでなく、デメリットにも注意が必要です。
この記事では、犬が一緒に寝たがる理由やメリット・デメリット、安心な寝室づくりのコツをわかりやすく解説します。
愛犬との暮らしをより良くしたい飼い主さんは最後までお読みください。
犬が飼い主さんと一緒に寝たがる理由

犬が飼い主さんと一緒に寝たがる理由は多岐にわたります。
飼い主さんが理解しておけば、愛犬にとって安心できる環境を整えることが可能です。
代表的な理由を5つ紹介しますので、より良い関係を築く参考にしてください。
甘えん坊な性格
犬の性格はそれぞれ異なるものの、とくに甘えん坊の犬は飼い主さんと一緒に寝たがる傾向があります。
飼い主さんが仕事や用事で家を空けることが多い場合、寂しさを埋めようと夜中に近づいてくるケースも少なくありません。
甘えん坊の犬は、飼い主さんの存在を近くに感じると安心し、心も安定して過ごせます。
飼い主さんのにおいに安心する
犬の嗅覚は非常に優れているため、飼い主さんのにおいにも敏感です。
寝具やベッドには飼い主さんのにおいが染みついており、近くにいるだけでリラックスできます。
犬は眠りが浅い動物なので、目を覚ましたときに飼い主さんのにおいが感じられるというのは大きな安心材料です。
夜間に不安を感じることが少なくなり、より深い眠りにつけるでしょう。
不安を感じている
犬は引っ越しや家族構成の変化など、生活環境が変わると不安を感じやすい性質です。
不安感が強まると、犬は飼い主さんのそばで安心感を得ようとします。
今まで一緒に寝たがらない愛犬が急にそばに寄ってくるようであれば、飼い主さんは環境の変化について見直してみましょう。
無理にひとりで寝かせようとせず、犬の様子が落ち着くまでは一緒にいてあげるのが理想的です。
群れで生活していた頃の習性
犬は本来、野生で集団生活をしていた動物です。
ひとりで寝るという習慣がなく、野生時代の名残として飼い主さんと一緒に寝たがる犬も多くいます。
犬にとって仲間と眠ることは安全を確保する行為でもあったので、飼い主さんと一緒に寝ると深い眠りにつけるのでしょう。
一緒に寝るのが難しい場合は、ベッドのそばに愛犬専用のスペースをつくってあげるのがおすすめです。
寝具が気持ち良い
犬が飼い主さんと一緒に寝たがる理由の1つとして、ベッドや布団の感触が気持ち良いというものがあります。
なんらかのきっかけで快適さを味わった結果、病みつきになってしまっているのかもしれません。
同じような肌触りの犬用ベッドやクッションがあれば、愛犬は満足して自分の寝床で寝る可能性もあります。
犬と一緒に寝る3つのメリット

犬と一緒に寝ることは単なる習慣を超え、愛犬と飼い主さんの両方に多くのメリットをもたらします。
安心感やリラックス効果が得られるだけでなく、互いの絆も深まるためです。
日々の生活をより豊かにしてくれる、犬と一緒に寝ることの魅力を3つ紹介します。
安心感と癒しが得られる
犬と一緒に寝ると、飼い主さんに安心感をもたらします。
愛犬の体温や穏やかな呼吸はストレスを和らげ、心を落ち着かせてくれるためです。
「ひとりではない」という安心感が夜間の不安を解消し、安眠効果を高めてくれます。
ストレスの多い日常生活を送っている飼い主さんにとって、心の癒しとなるでしょう。
深い眠りと疲労回復を促進
犬と一緒に寝ると、愛犬のリズミカルな呼吸に合わせて飼い主さんの心拍数が安定します。
呼吸も深まり、よりリラックスした質の高い眠りが可能です。
愛犬の寝息や鼓動が飼い主さんをリラックスさせ、翌日の疲労回復も期待できます。
さらに、犬と触れ合うことで「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が促進され、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが下がるとされています。
絆が深まる
犬と一緒に寝る時間は、愛犬と飼い主さんの絆を強めるために重要です。
犬は体調不良を言葉で伝えられないため、一緒に寝ることで飼い主さんが変化に気づきやすくなります。
たとえば、夜中に犬の呼吸が乱れたり、動きが普段と違ったりする場合には、すぐに対処可能です。
些細な変化に気づいてもらえると、犬は「飼い主さんが一緒だと安心」という信頼感を持つようになります。
日常生活でも信頼を寄せ、従順になるケースもあります。
犬と一緒に寝るデメリットと対策法

犬と一緒に寝ることには多くのメリットがある一方で、デメリットにも注意が必要です。
ただし、適切な対策を講じれば、デメリットは解消できます。
快適な生活を送るためにも、代表的なデメリットと対処方法を見てみましょう。
アレルギーや衛生面の問題
犬と一緒に寝ると、アレルギーや衛生面での問題がつきまといます。
犬の毛や皮膚から出るフケは、アレルギー反応の原因となり得るためです。
とくにアレルギー体質の人や家族がいる場合、犬と同じ寝具を共有すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、犬の体に付着した汚れや菌が寝具に移ると衛生状態が悪くなるというのが課題です。
寝具を清潔に保つためには、定期的な掃除やシーツの交換を行いましょう。
さらに、アレルギー対策として抗アレルギー素材の寝具やカバーを選ぶのも1つの方法です。
犬が寝室に入る前には足を拭いたり、ブラッシングを行ったりするのもおすすめです。
睡眠が浅くなるケースもある
犬と一緒に寝ることで、飼い主さんの睡眠が浅くなる可能性もあります。
犬は夜中に動いたり、音を立てたりするため、そのたびに飼い主さんが目を覚ましてしまうためです。
中途覚醒により深い眠りに入れず、疲労感が残ってしまいます。
翌日の活動に影響を及ぼすほどの場合、愛犬専用のベッドを用意しましょう。
ドッグベッドを寝室内に置けば、愛犬も安心して自分のスペースで眠れます。
飼い主さんだけでなく、愛犬の睡眠の質も向上し、互いの健康維持にも役立ちます。
分離不安症になる可能性
常に飼い主と一緒に寝る習慣がつくと、愛犬がひとりで眠れなくなるというリスクが生じます。
飼い主さんから離れると問題行動を起こす「分離不安症」を発症するリスクが高まり、飼い主が外出する際に犬が強いストレスを感じるようになるためです。
吠えたり、破壊行動をしたりすることも多く、できる限り防ぐことをおすすめします。
分離不安症にならないためにも、毎晩一緒に寝ないほうが良いでしょう。
飼い主さんと一緒に寝ることがすべての犬にとって悪いわけではないものの、愛犬がひとりでも寝られるというのも大切なポイントです。
犬と一緒に寝るシチュエーション別の注意点

犬と一緒に寝る際は、年齢や性格、健康状態に応じた注意点があります。
愛犬の様子を観察し、飼い主さんは適切な対応を心がけましょう。
よくあるシチュエーション別の注意点は以下の通りです。
子犬と一緒に寝る場合
子犬には新しい環境に適応するために、適切なしつけが必要です。
とくに、サークルやクレートの中でおとなしく待つトレーニングは必須なので、完了するまでは一緒に寝るのはおすすめしません。
また、子犬のうちに飼い主さんと一緒に寝ると、過度に依存する原因ともなります。
まずは、子犬がひとりでも過ごせるようにし、様子を見ながら一緒に寝る機会を設けましょう。
体調不良のとき
愛犬や飼い主さんの体調が優れない場合は、一緒に寝るのを避けたほうが無難です。
体調が悪い状態で一緒に寝ると、睡眠の質が低下し、回復は遅くなってしまいます。
ただし、愛犬の具合が悪いときは、飼い主さんのベッドのそばに寝床を置いてあげるのがおすすめです。
飼い主さんは夜中でも愛犬の様子を確認しやすくなり、必要なケアをすぐに行えるためです。
シニア犬と一緒に寝る場合
高齢の犬と一緒に寝る場合、夜間の異変に気づきやすいというメリットがあります。
老犬は体調の変化が起こりやすく、夜間に問題が発生することも少なくありません。
同じ部屋で寝ていれば、飼い主さんも安心して眠れるでしょう。
ただし、高齢の犬は関節が弱くなっているため、寝具の高さや広さには注意が必要です。
転落しないように調整し、愛犬が安心して寝られる環境を整えてあげます。
毎日一緒に寝ている場合
愛犬と一緒に寝ると絆を強められる一方で、毎日の習慣にしてしまうとリスクもあります。
急な入院や出張などで飼い主さんと愛犬が離れて過ごさなければならない状況において、対応できない可能性が高まるためです。
常に一緒に寝ていると、愛犬はひとりで寝ることをストレスに感じてしまいます。
愛犬がひとりで寝る練習をさせておけば、飼い主さんが不在のときでも安心して過ごせるようになります。
定期的に離れて寝る日を設け、愛犬がひとりでも眠れるようにしておきましょう。
子どもと犬が一緒に寝る場合
乳幼児が犬と一緒に寝ると、寝相が悪かったり、夜中に突然動いたりする問題があります。
犬にとってはストレスや恐怖の原因となり、寝ぼけた状態だと反射的に子どもを噛んでしまうかもしれません。
子どもが犬に恐怖を感じさせることになってしまい、愛犬が子どもに対して緊張し、攻撃的な行動をとる可能性もあります。
子どもと愛犬が一緒に寝たがる場合は、別々の寝具を使用すると安心です。
犬と一緒に寝るための寝室をつくるポイント

犬と一緒に寝るための寝室づくりにはいくつかのポイントがあるため、愛犬と飼い主さんが快適に過ごすために大切な3つのポイントを紹介します。
寝室環境を整え、リラックスできる空間に仕上げましょう。
レイアウトが重要
犬と快適に寝るためには、寝室のレイアウトは非常に重要です。
一緒の寝具で寝ることにこだわりすぎず、愛犬専用のベッドやクッションを設置しておくと寝苦しさが解消できます。
大型犬の場合は広いスペースが必要となるため、部屋の広さもある程度必要です。
外からの音や光が眠りを妨げないよう、窓の位置やカーテンの性能にも配慮しましょう。
衛生管理を行う
寝室や寝具の衛生管理も、一緒に寝るための環境づくりには欠かせません。
犬の毛やフケが付着しないよう、定期的に掃除や洗濯を行います。
アレルギーが気になる場合は、抗アレルギー素材の寝具やカバーの使用がおすすめです。
犬が寝室に入る前に足を拭いたりブラッシングしたりすれば、汚れやアレルゲンが入り込むリスクを減らせます。
安全面に配慮する
犬と一緒に寝るためには、寝室内の安全対策も重要なポイントです。
家具や装飾品の配置を見直し、犬が足を引っかけて倒したりする危険性がないか確認しましょう。
電気コードや小物類は、犬が噛んだり飲み込んだりするリスクがあります。
日頃から整理整頓を心がけ、使用しないコンセントは抜いておくことも大切です。
愛犬と一緒に寝るメリットとデメリットを考慮して快適な寝室をつくろう

愛犬と一緒に寝ると、安心感や絆が深まるといったメリットがあります。
一方で、アレルギーの原因となったり、睡眠の質の低下につながったりするデメリットにも考慮が必要です。
記事を参考に適切な対策を講じ、快適な寝室環境を整えましょう。
愛犬と飼い主さん安眠できる寝室をつくれば、より快適にペットとの暮らしを満喫できます。
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