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お子さんが急に鼻血を出したとき、びっくりする親御さんも多いと思います。
そしてよく鼻血を出していると、何かの病気?と心配される方も多いのではないでしょうか。

 

子供の鼻血の原因はいろいろありますが、ほとんどは心配ないものばかりです。
かぜをひくと鼻の粘膜が炎症をおこし、鼻水とともにちょっとした刺激でも鼻血がでやすくなります。
また、子どもは、鼻を頻繁にいじることもあるので、それだけでも出ることがよくあります。
鼻血が出たときに慌てないためにも、きちんと鼻血の止め方を覚えておくことが大切です。

 

今回は、子供の鼻血が出たときの応急処置のポイントや病院受診の目安について解説します。

 

 

子供と大人で違う鼻血の原因は?

 

 

ここでは、鼻血の仕組みや子供と大人で違う鼻血の原因について解説します。

 

・鼻血の仕組み
・子供の鼻血
・大人の鼻血

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

 

・鼻血の仕組み

 

 

鼻血は医学的に「鼻出血(びしゅっけつ)」と呼ばれ、ほとんどの鼻血は、鼻の入り口に程近い、中央にある仕切りの部分からの出血なので、基本的に心配ありません。
この部分は毛細血管が多く通っている上、粘膜が特に薄いため、鼻をぶつける以外にもいじる(ほじる)ことでも出血します。

 

古代ギリシアの医師・ヒポクラテスの時代、「鼻血」は身体の中の悪い体液が、鼻を通じて排泄されるものと考えられていたそうですが、現在は異なります。
鼻の穴の皮膚と粘膜が移り変わるところに、「キーゼルバッハ部位」という細く小さな血管が集まる部分があります(上図参照)。
鼻血の多くは、空気の乾燥や鼻炎などで鼻の粘膜が弱くなって傷つき、この細く小さな血管が破れて起こるものです。

 

それでは子供の鼻血と大人の鼻血はどういったものなのかを見ていきましょう。

 

 

・子供の鼻血

 

子供は大人に比べ、鼻の粘膜が弱いので、少しのぼせたり、興奮したり、血行が良くなったりすることで鼻血が出ます。
特にお子さんがよく鼻血を出していたら、「もしかして悪い病気にかかっているのかも?」心配になる親御さんも多くいらっしゃいます。

 

子どもの鼻血の多くは、「鼻いじり(ほじり)」による鼻の入り口から1cm程度奥(キーゼルバッハ部位)からの出血です。
前の方にポタポタ出てくる鼻血となり、心配ありません。
止血の応急処置をすれば、10分程度で簡単に止まるため、基本的には治療は不要です。

 

しかし、「よく鼻血を出す」お子さんは、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、風邪による急性鼻炎などを患っていることが多いです。
それらが原因で鼻の炎症が起こり、かゆみを感じているため、頻繁に鼻をいじってしまいます。
さらに、鼻血が止まった後に「かさぶた」ができると、鼻の中がムズムズとして気になり、また鼻をいじって鼻血が出るという悪循環につながります。

 

鼻の病気の治療を行って、鼻血が出やすい状況を改善してあげると良いでしょう。

 

子供の鼻血で心配なことがある方は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

 

・大人の鼻血

 

大人になると、あまり鼻血を出すことはないと思われるかもしれません。
しかし、大人でも60歳以上の方や空気の乾燥する時期(11月頃~3月頃)と花粉症の季節には、鼻血が出やすくなる傾向があります。

 

実は鼻血で注意したいのは、子どもよりも大人です。
大人で鼻血が出た場合には、鼻粘膜が傷つくことで出血する以外にも全身疾患や腫瘍などが原因となっていることがあります。
特に高血圧・糖尿病・動脈硬化などの持病のある方は、鼻の奥にある太い血管(動脈)から大量出血する可能性もあります。

 

気になる方は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

 

 

子供の鼻血の応急処置のポイントは?

 

 

ほとんどの鼻血は、命にかかわるものではありません。
落ち着いて対応すれば、簡単に止まります
ここでは、子供の鼻血の応急処置のポイントについて解説します。
具体的には以下の通りです。

 

・①慌てない
・②小鼻をしっかりつまんでおさえる
・③座った姿勢で安静にする
・これはNG!

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

 

・①慌てない

 

子供でも大人でも血を見ればビックリするものです。
しかし、ビックリして慌てると血圧が上がり、血が止まりにくくなってしまいます。
子供が泣いているようであれば安心させ、大人でもドキドキして不安ですが、まず深呼吸をして落ち着きましょう

 

 

・②小鼻をしっかりつまんでおさえる

 

基本的に鼻には何も入れず、親指と人差し指で小鼻(鼻の柔らかい部分)を5~10分間はしっかりとつまんでおさえてください
氷を鼻に当てたり冷湿布を鼻筋に貼るのも、血管を収縮させて止血するのに役立ちます。
ちなみに以前は鼻の根元の硬い部分を押さえて上を向くといい、と言われていましたが、硬いところを押さえても実は意味がありません。

 

 

・③座った姿勢で安静にする

 

しっかりおさえているあいだは横にならずに、座った姿勢でいましょう
体が横になると血液が喉に落ちて気持ちが悪くなってしまうことがあるからです。
また、その際にせきこんで血液を見てしまうと血圧が上がり、出血が止まりにくくなるので注意しましょう。

 

 

・これはNG!

 

ここでは鼻血の応急処置としてNGな行為を解説します。

 

1) 鼻の中にティッシュを詰める
鼻の中へティッシュを詰めると抜いた時に傷が擦れたり、かさぶたが剥がれてまた血が出る事があるのでやめましょう。

 

2) 上を向かせる
上を向かせると血がノドへ垂れ落ちてむせたり、血を飲み込んで吐き気などを起こす可能性もあるのでやめましょう。
また、首の後ろをトントンたたくことも止血の逆効果です。
鼻血が出たときは、顔は少し下を向いて座って安静にします。

 

 

 

子供の鼻血が止まらない!病院受診の目安は?

 

 

ここでは、子供の鼻血が止まらないときの病院受診の目安について解説します。
次のような様子が見られたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

・応急処置を20分以上行っても、鼻血が止まらない
・鼻の奥から喉に鼻血が大量に垂れこむ
・身体のどこかにあざができている
・歯ぐきなど鼻以外からも出血が見られる
・一月に6回以上鼻からの出血がある

 

また、子供の鼻血は朝が比較的多いですが、昼夜問わず20分以上の鼻血が頻繁に起こるようであれば注意が必要かもしれません。

 

ちなみに、鼻に痛みがある、鼻血がよく出るということで困っている方は実は多くいます。
何か怪我をしたわけでもなく、鼻をいじっているわけでもないのに、鼻血が出るという場合があります。
多くの場合、しばらくすれば鼻血が止まることや、鼻血くらいで病院にいくのも…と考えて放置されている方もいますが、実は厄介な病気が隠れいている場合もあります。
また痛みや鼻血のほかに、鼻から臭いがするという症状もあり、不快な症状が気になってしまうこともあるようです。

 

いずれにしても、鼻血が続くと親御さんも心配でしょうから、鼻血で受診してもいいのか…?と思わず、お子さんの鼻血で病院を受診しても大丈夫です。

 

 

 

子供の鼻血を予防する方法とは?

 

 

ここでは、子供の鼻血を予防する方法について解説します。
具体的には以下の通りです。

 

・室内の空気を加湿する:
加湿器などを使って、室内の湿度を保つことが大切です。

 

・鼻をかむときに優しくかむようにする:
鼻をかむときに力を入れ過ぎると、鼻の中の血管が破れることがあります。
鼻をかむときは、優しくかむようにすることが大切です。

 

・鼻を強くこすらないようにする:
鼻を強くこすると、鼻の中の血管が破れることがあります。
鼻は優しくこするようにすることが大切です。

 

・鼻の中に指を入れないようにする:
鼻の中に指を入れると、鼻の中の血管が破れることがあります。
鼻をかむときにティッシュペーパーを使うようにしましょう。

 

100%予防できる、というわけではありませんが、何もしていないよりは効果があるかもしれませんので、ぜひ試してみてください。

 

 

 

子供の鼻血について、これ本当?な話

 

 

余談ですが、実は昔から言われてきた話で、親御さんも一度は聞いたことがある話について紹介します。
具体的には以下の通りです。

 

・チョコレートやピーナッツの食べ過ぎは鼻血が出る?
・性的興奮で鼻血が出る?

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

 

・チョコレートやピーナッツの食べ過ぎは鼻血が出る?

 

チョコレートやピーナッツの食べ過ぎと鼻血の医学的な因果関係は、証明されていません
チョコレートが高級品だった時代に、親が子供に沢山食べさせないようにするためという説、脂肪分や糖分が高いので、食べ過ぎると余ったエネルギーが鼻血として出てくる説など、発端には諸説あります。

 

よって、これは迷信です。

 

 

・性的興奮で鼻血が出る?

 

「性的興奮で鼻血が出る」という話も同様で、医学的な因果関係は証明されていません
しかし、血圧の上昇具合、抗血栓薬などの服用、血管のもろさなどが合致したときには、鼻血が出ることも起こり得ます。

 

とはいえ、性的興奮だけで、マンガやアニメであるような噴き出す鼻血はありえません。
 

 

子供が鼻血を出したときはまずは応急処置を!

 

 

今回は、子供の鼻血が出たときの応急処置のポイントや病院受診の目安について解説しましたが、いかがでしたか?

 

鼻血は多くの子供に見られ、5歳までに少なくとも30%が起こすと言われており、日常よく遭遇する疾患です。
発症のピークは3~8歳です。

 

血を見ると、子どもだけでなく、大人でもびっくりして動揺する方も多いと思いますが、鼻血に対する正しい対処法を身につけ、落ち着いて対応しましょう。

 

鼻血が出た場合は
①慌てない
②小鼻をしっかりつまんでおさえる
③座った姿勢で安静にする
です。

 

また、日ごろからできる子供の鼻血を予防する方法もぜひ試してみてください。

 

この記事が現在子育てをされている方の参考になれば幸いです。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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