猫と一緒に暮らしていると、飼い主さんの出張や旅行で留守番をお願いする機会があります。
猫は1~2日程度なら留守番できるとされているものの、本当に大丈夫か不安に感じていませんか。
この記事では、猫が留守番できる時間や起こりがちなトラブル、あると便利なアイテムを紹介します。
愛猫を置いて留守にできるか不安を感じている飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
猫が留守番できる時間と注意すべき点とは?
猫は犬と比べて長時間の留守番が得意とされているものの、実際にどのくらいの時間や日数が適しているのでしょうか。
ここでは、猫が留守番可能な時間と注意すべき点について解説します。
猫は1〜2日の留守番に対応できる
猫は元々、単独で行動する動物です。
一日の大半を寝て過ごす習性もあるため、環境が整っていれば、1〜2日間程度の留守番は可能とされています。
個体差はあるものの、多くの猫は一匹で過ごしてもストレスに感じないと考えて良いでしょう。
また、猫は縄張り意識が強く、環境の変化に敏感です。
ペットホテルに預けたり、一緒に連れて行ったりするよりも、自宅で過ごしたほうが苦痛を感じない可能性もあります。
留守番に注意が必要な猫もいる
健康な成猫であれば自宅での留守番が適している一方で、以下の猫には注意が必要です。
・子猫 ・シニア猫 ・持病のある猫 |
とくに月齢の低い子猫は食事の間隔が短いため、留守番をさせるのは控えましょう。
夏場の留守番は負担が大きい
日本の夏は35度を超える日も多く、留守番中の猫が熱中症になるケースも少なくありません。
猫は25℃前後の室温で、湿度は50~60%が快適に過ごせるとされています。
室温が30℃、湿度が60%を超えると、熱中症の危険が増すため危険です。
留守番中はエアコンを稼働させ、直射日光を遮るためにカーテンを閉めきっておきましょう。
水分不足も熱中症の原因となるため、水分の準備も忘れずに行います。
夏場は落雷による停電も発生しやすいので、電気がなくても使える冷却グッズを用意しておくと安心です。
猫の留守番中に起こりがちなトラブルと対策方法
猫は留守番中に、いつもお利口に過ごしているとは限りません。
とくに好奇心旺盛な猫の場合、暇を持て余すと興味本位でいたずらをしてしまうものです。
大きなトラブルにならなければ問題ありませんが、場合によっては命にかかわる事故につながってしまいます。
よくある例を参考に、留守番中のいたずらや事故を防ぐ対策を考えてみましょう。
部屋が散らかってしまう
飼い主さんが玄関を開けた瞬間、まるで運動会が開催されたかのように部屋が散らかっている経験をしたことはありませんか。
惨状を前に愛猫が満足げな表情を浮かべていたとしても、叱るのは禁物です。
猫は留守番中の不安や遊びたい気持ちをひとりで発散させただけなので、悪いことをしている意識がありません。
倒れやすいものや割れやすいものは、あらかじめ片付けておきましょう。
戸棚を開けて盗み食いする
好物のおやつやキャットフードが入っている戸棚を自力で開けられる猫の場合、飼い主さんがいない間に盗み食いする可能性があります。
おやつやキャットフードであれば健康に大きな被害はないものの、間違って食べられないものを口にしてしまうと大変です。
たとえば、人間用のサプリメントを猫が大量に食べてしまい、けいれんが止まらなくなってしまったという事例もあります。
思わぬ場所から脱走してしまう
飼い主さんの留守中に猫が家から脱走してしまうというトラブルも多く見受けられます。
猫は玄関や窓、ベランダから脱走しやすく、好奇心から外に出てしまうのが主な理由です。
猫は人間が通れないような狭い場所でも、簡単に通り抜けてしまいます。
軽い扉であれば自力で開けてしまうので、戸締りは万全にしておきましょう。
また、飼い主さんの帰宅時に玄関で待ち構え、扉を開けた瞬間に逃げ出す猫もいます。
柵やゲートの設置や、玄関には来られないように工夫しておくと安心です。
トイレの失敗
普段はトイレを使える猫でも、留守番中に限って失敗してしまうトラブルもあります。
多くの場合、「トイレが汚れている」というのが原因です。
猫は清潔好きなので、排泄物がたまったトイレでは用を足せません。
留守番中に排泄物がたまりそうな場合は、多めにトイレを用意しておきます。
飼い主さんが留守にしがちな家庭では、全自動猫トイレの設置もおすすめです。
ただし、あえて飼い主さんの布団や洋服で失敗しているようであれば、粗相の原因が寂しさや不安によるかもしれません。
エアコンの誤操作
夏場にエアコンをつけて留守番させていたのに、飼い主さんが家に帰ると部屋が異様に暑くなっていたというトラブルもあります。
冷房から暖房に切り替わっていたというケースが多く、猫がエアコンのリモコンを足で踏んでしまったというのが主な原因です。
猫は比較的暑さに強い動物ではあるものの、夏場の温度管理には注意が必要です。
また、冬場はホットカーペットによる低温やけどのリスクがあるため、長時間の使用は控えましょう。
誤飲による事故
猫の留守番中に最も注意すべき問題のひとつが、誤飲による事故です。
留守番中はひとりで遊ぶ時間が長いため、誤飲のリスクが高まります。
おもちゃだけでなく、薬や観葉植物、紐の誤飲は命にかかわるほど危険です。
キッチンにかけてあるタオル類も、遊びの延長でかじられてしまう場合があります。
繊維がほどけて糸状になると、飲み込んだ際に消化管に絡みついてしまう原因です。
最悪の場合、腸閉塞を引き起こしてしまうので十分注意しましょう。
外出の際は余裕を持って準備し、家の中の安全を確認することが重要です。
猫の留守番を快適にするための環境づくり
猫に留守番してもらうには、快適な環境を整える必要があります。
しっかりと準備してあげれば、長時間の留守番でも愛猫は安心して過ごせるでしょう。
以下は、具体的な環境づくりの方法です。
・水は安定感のある器にたっぷりと入れ、複数の場所に配置する ・フードは少し多めに用意し、自動給餌機を使うと便利 ・清潔なトイレを多めに用意し、排泄物のない状態をキープする ・室温は20〜28度が理想なので、25℃を目安にエアコンを使用する ・部屋の扉は完全に閉めず、猫が自由に移動できるようにしておく |
飼い主さんのいない間、食事やトイレに困らないようにしておくとストレスを感じにくくなります。
愛猫が留守番に対してネガティブなイメージを持たないためにも、快適な環境を用意するのは重要なポイントです。
猫の留守番時にあると便利なアイテム
猫は普段と同じ環境で留守番できると安心するため、飼い主さんは必要なアイテムを揃えてあげましょう。
ここではあると便利なものを5つ紹介します。
自動給餌器
猫の留守番時には、いつもより多めにごはんを用意しましょう。
腐りにくいドライフードがおすすめで、自動給餌器を使用すると便利です。
設定した時間に必要な分量が出てくるため、食べすぎも防止できます。
電池でも動作する製品なら、留守中に停電があっても安心です。
忙しい飼い主さんの場合、留守番時以外でも活躍するアイテムとなるでしょう。
自動給水器
猫の留守番時には、ごはんと同様に水も多めに用意します。
ごはんと同様に水も多めに用意します。
水がこぼれてしまう可能性を考慮して、ケージに取り付けられるタイプや自動循環式の給水器を利用すると便利です。
自動循環タイプはお手入れが簡単で、水の新鮮さを保てるメリットもあります。
1泊以上留守にする際は、家のさまざまな場所に水を準備しておくのもポイントです。
トイレ
猫のトイレは頭数に対して1個多めに用意するのが理想的とされているものの、長時間の留守番ではさらに多めに用意します。
飼い主さんが留守にする頻度が多くない場合は、臨時用としてポータブルトイレを利用すると便利です。
ポータブルトイレはコンパクトに折りたためるため、収納場所に困りません。
また、全自動タイプのトイレを使えば、留守中も常に清潔な状態を保てます。
お気に入りのアイテムとおもちゃ
甘えん坊な性格の猫の場合、お気に入りのアイテムを置いておくのがおすすめです。
慣れた匂いや感触があると、留守中も安心して過ごせます。
また、退屈させないためには、遊べるおもちゃを出しておくのもポイントです。
キャットタワーのように体を動かせると、ストレス解消にも役立ちます。
おもちゃを選ぶ際は、猫の年齢に合わせた安全性が高いものを選びましょう。
見守りカメラ
留守番中の愛猫の様子を確認できるアイテムとして、ペットの見守りカメラがおすすめです。
自宅に設置しておくと、飼い主さんがいない間の様子をリアルタイムで確認できます。
製品によってはスマートホンで遠隔操作ができ、飼い主さんの声を届けることも可能です。
愛猫の安全を確保しながら、可愛らしい姿に癒されると人気があります。
猫が安心して留守番できる家づくりのポイント
愛猫に留守番をさせるなら、安心してひとりにできる家づくりが欠かせません。
飼い主さんが仕事や旅行で留守にする機会が多い場合は、以下のポイントを参考に対策を考えておきましょう。
自由に動ける環境が大切
猫が留守番中も運動不足にならないように、自由に動ける環境を整えます。
たとえば、キャットウォークやキャットステップを設置すれば、猫が自由に動けて快適です。
猫は気ままな性質なので、自分の好きな場所へ行けないとストレスを感じてしまいます。
飼い主さんが不在の間も、勝手気ままに動ける環境を提供してあげましょう。
見晴らしの良い場所を設ける
猫は見晴らしの良い場所が大好きなので、高い位置から見渡せる工夫も大切です。
たとえば、キャットウォークの一部を透明のアクリル板にすると、猫は休憩中に下の様子も伺えて満足します。
分譲住宅であれば造作家具も自由に取り付けられるので、安全面に配慮しながらオリジナルのキャットタワーも設置可能です。
日当たりの良い静かな窓を設置
猫は狩りをしていた時代の名残で、窓から外の様子を観察する主性があります。
大きな音や人の動きが激しいと、留守中に怯えてしまう原因です。
できるだけ静かな空間に、窓を設けてあげましょう。
日当たりが良い窓辺は日向ぼっこもでき、留守番中も安心してリラックスできます。
快適な温度を保つ
猫が留守番中に快適に過ごせるよう、室内の温度や湿度を適切に保つことも重要です。
エアコンだけでなく、住宅の断熱性や気密性を上げるだけで、年間を通して適温で過ごせるようになります。
外の暑さや寒さに影響を受けにくいため、飼い主さんにとっても過ごしやすい家となるでしょう。
キッチンの安全を確保
キッチンはコンロや調理器具で火災や事故が発生しやすい環境です。
留守中に猫が誤ってケガをしないためにも、侵入させない工夫が必要です。
キッチンを独立させる間取りにしたり、IHクッキングヒーターやコンロのロック機能を使用したりして、少しでもリスクを減らしましょう。
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猫が安心して留守番するためには準備が大切
愛猫を置いて出かけるのは心配かもしれませんが、1泊程度なら留守番できる猫がほとんどです。
留守番させる際は快適に過ごせるように必要なアイテムを用意し、状況に応じてペットホテルや友人への依頼を検討します。
飼い主さんは安心して外出できるよう、猫が安全に留守番できる環境を日頃から準備しておきましょう。