「完成済み物件」という言葉を聞いたことはありますか?
住宅を購入した経験がある方や、これから住宅を購入しようといろいろリサーチをしている方には聞き覚えのある言葉かもしれませんね。
住宅を購入する際の選択肢のひとつとして知っておいていただきたいものに「完成済み物件」があります。
ではその「完成済み物件」とは具体的にどのような住宅のことなのでしょうか。
今回は、完成済み物件とは何なのかや、完成済み物件のメリット・デメリット、購入前の注意点などについて詳しく解説していきます。
これから新たにマイホームを購入しようと考えている方は、ぜひ最後まで読んで、完成済み物件も選択肢のひとつとして検討してみてくださいね。
完成済み物件とは
完成済み物件とは、建設がすでに終了しており、購入者がすぐに入居できる状態にある住宅やマンションのこと。すでに建築が完了しているため、物件を見学してその場で購入の判断ができるという特徴があります。また、建物の全体像や周辺環境も確認できるため、購入後の生活イメージがしやすいのも魅力です。
完成済み物件は、特に住宅の購入を急いでいる方や、実際に目で見て確認した上で購入したい方に最適な選択肢です。
また、建築中の物件を購入する場合に比べて、引渡しのタイミングが明確であり、計画的に引っ越しを進めることができます。
完成済み物件のメリット
完成済み物件を選ぶことには、以下のように多くのメリットが存在します。
・リアルな暮らしがイメージできる
・コンセプトハウスに住める
・打ち合わせが不要
・すぐに入居できる
・完成後の建物の施工品質を確認してから購入できる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
リアルな暮らしがイメージできる
完成済み物件の最大のメリットは、実際に建てられた住宅を見て確認できる点にあります。
間取りや各居室の広さ、採光、風通しなど、写真や図面では分かりにくい部分を自分の目で確認することができます。
実際に自分の目で見て確認できるということは、購入後の生活を具体的にイメージしやすくなり、後悔の少ない選択が可能となるでしょう。
注文住宅や未完成物件の場合、図面やモデルルームなどでしか物件を確認できないため、実際の生活感がつかみにくいことがあります。
しかし、完成済み物件では、家具やインテリアを配置した際の空間の使い方や、生活動線を具体的にシミュレーションすることができます。
コンセプトハウスに住める
完成済み物件の一部は、ハウスメーカーなどが独自のデザインやコンセプトを持って建てた「コンセプトハウス」として提供されています。個性的でデザイン性に富んだ住まいを手に入れることができます。
コンセプトハウスは、その設計段階でプロのデザイナーや建築家が考え抜いたデザインが反映されており、他にはないデザインと快適な住環境が叶えられています。
例えば、自然素材をふんだんに使ったエコ住宅や、都市型ライフスタイルにマッチしたコンパクトな住まいなど、さまざまなスタイルがあります。自分のライフスタイルや趣味に合った物件を見つける楽しみも、完成済み物件の大きなメリットです。
打ち合わせが不要
注文住宅やセミオーダー住宅などを購入する際には、間取りや内装、設備の選定に時間がかかることが多く、建築会社やハウスメーカーとの打ち合わせが頻繁に行われます。
しかし、完成済み物件では、すでにすべてが完成しているため、こうした打ち合わせの手間が省けます。
もし物件を見て気に入った場合、そのまま購入手続きに進むだけで済むため、購入までのプロセスがスムーズです。
また、打ち合わせによるストレスや時間の浪費がないため、忙しい方や初めて住宅を購入する方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
すぐに入居できる
多くの人が完成済み物件を選ぶ理由として挙げられるのが、購入後すぐに入居できる点です。
注文住宅などの場合、契約後に建築が始まり、完成までに数ヶ月から1年以上かかることも。
しかし、完成済み物件ならば、契約が成立すれば、すぐに引っ越しの準備を進めることができ、早ければ数週間以内に新生活をスタートすることも可能です。
このメリットは、転勤や就学などの理由で、急いで引っ越しをしなければならない場合や、住宅ローンの支払いを早めに開始したいという方にとって大きな魅力です。
また、賃貸住宅に住んでいる方が家賃とローンの二重払いを避けるためにも、完成済み物件は理想的な選択と言えるでしょう。
完成後の建物の施工品質を確認してから購入できる
完成済み物件は、すでに建築が終了しているため、実際の施工品質を確認した上で購入するかどうかを決めることができます。
完成済み物件では、建物がどのように仕上がったかを直接目で確認できるため、建築会社やデベロッパーの品質管理に対する信頼度を判断する材料になります。
これにより、安心して住まいを選ぶことができるでしょう。
完成済み物件のデメリット
完成済み物件には多くのメリットがある一方で、以下のようにデメリットとなり得るポイントもいくつか存在します。
・プランや設備・仕様などの変更ができない
・建築中の施工品質を確認できない
・物件の選択肢が限られる
・購入時に即決を求められることも
これらの点を理解し、バランスの取れた判断を下すことが重要です。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
プランや設備・仕様などの変更ができない
完成済み物件の大きなデメリットは、間取りや内装、設備に関して希望を反映できない点です。
すでに建設が完了しているため、自由にカスタマイズすることはできません。デザインや仕様が理想と一致しない場合は、ある程度の妥協が必要になります。
注文住宅などの場合、設計段階で間取りの変更や、壁紙や床材の選定、キッチンやバスルームの設備選びなどをおこなうことができますが、完成済み物件ではこれができません。
収納スペースが少ない、キッチンが狭いなど、実際に住んでみて初めて感じる不便さが発生する可能性があります。
建築中の施工品質を確認できない
完成済み物件では、建築中の過程を確認することができないため、施工品質に不安を感じる場合があります。
特に、基礎工事や配管工事、断熱材の施工など、建物の見えない部分については、完成後には確認が難しいため、信頼できる施工会社やデベロッパーを選ぶことが重要です。
物件の選択肢が限られる
完成済み物件は、すでに完成しているため、選べる物件の種類や場所が限られる場合があります。
特に人気の高いエリアでは、選べる物件が少なく、希望条件に合致する物件が見つかりにくいことがあります。
住みたいエリアに理想の住まいが見つからない場合や、そもそも住みたいエリアに物件がないなんてことも少なくありません。
エリアを妥協するか、間取りや設備、広さなどについてを妥協するかの選択を迫られたときに、どちらを優先するかを事前に考えておくと良いでしょう。
購入時に即決を求められることも
完成済み物件は、売り出しが行われるとすぐに購入希望者が集まることが多いため、即決が求められることがしばしばあります。
人気のエリアにある物件や、設備が整っていたりおしゃれなデザインが採用されていたりするような物件は、比較的早く購入者が決まってしまうことも少なくありません。
このため、購入するかどうかについて慎重に検討する時間が少なくなり即決した結果、後で後悔する可能性があることに注意が必要です。
完成済み物件を購入する際の注意点
完成済み物件を購入する際には、以下のようないくつかの注意点をしっかりと押さえておく必要があります。
・施工品質など室内の細かいところまで確認する
・周辺環境をしっかりと確認する
・具体的な暮らしをイメージして購入するか決める
・物件自体の市場価値を見極める
・物件の管理状態を確認する
ひとつずつ順に詳しく解説していきます。
施工品質など室内の細かいところまで確認する
完成済み物件を購入する際には、内覧の際に施工品質や仕上げの細かい部分を入念にチェックすることが重要です。
特に、壁や床の仕上げ、窓の立て付け、ドアの開閉具合など、日常生活に直結する部分を確認しましょう。
また、クロスの貼り方や塗装の状態、床材の接合部分など、目につきにくい部分も確認することが大切です。これらの細かい部分がきちんと仕上がっているかどうかは、建物全体の品質を判断する一つの指標となります。
購入前に気になる点があれば、施工会社や販売担当者に質問し、納得のいく説明を受けてから契約するようにしましょう。
周辺環境をしっかりと確認する
完成済み物件を購入する際には、物件そのものの品質だけでなく、周辺環境の確認も重要なポイントです。
特に、通勤・通学のアクセスや、近隣の施設(スーパー、病院、学校、公園など)の充実度、さらには交通騒音や近隣の治安状況など、日常生活に大きな影響を与えるポイントを入念にチェックしましょう。
また、昼間だけでなく、時間帯を変えて夜間の環境も確認することをお勧めします。夜間の騒音や照明の状況、治安などは、昼間とは異なる場合があります。
さらに、周辺住民の雰囲気や地域コミュニティの活動状況も、住み心地に大きな影響を与えることがあるため、注意深く観察することが大切です。
具体的な暮らしをイメージして購入するか決める
完成済み物件を購入する際には、具体的な生活をイメージしながら判断することが重要です。
実際に家具を配置した際のスペース感や、日々の生活動線、家族全員が快適に暮らせるかどうかをシミュレーションしてみましょう。
また、家族構成の変化やライフスタイルの変化にも対応できるかどうかもじっくりと見極めましょう。
例えば、子供の成長や親との同居など、将来的なニーズに対応できるかを見極めることで、長期的に満足できる住まいを選ぶことができます。
物件自体の市場価値を見極める
完成済み物件の価格が市場価値に見合っているかどうかを確認することも重要です。エリアの相場や、同じ施工会社や不動産会社が販売している他の物件と比較し、適正価格かどうかを判断する材料にしましょう。
特に、価格が相場よりも高い場合、周辺環境や建物の品質、付帯設備の充実度など、価格に見合った価値があるかを慎重に検討することが求められます。
逆に、相場よりも安い場合は、何かしらの理由がある可能性があるため、その理由をしっかりと確認することが必要です。
また、物件自体の市場価値を確認しておくことは、将来的に住まいを売却する際にも大きな影響を与えます。
転勤や住み替えなどが理由で、将来的にマイホームを手放す可能性は誰にでもあります。物件の立地や建物自体の価値によって、将来的な売却額は大きく変わってきます。
物件自体の市場価値をしっかりと見極めることで、将来の後悔を減らすことができる可能性が高くなります。
物件の管理状態を確認する
完成済み物件は、完成してから少し時間が経過していることもあります。全くの新築住宅であるとは限らないため、物件の管理状態を購入前に確認しておくと安心です。
完成済み物件と言っても、すべてが戸建住宅であるとは限りません。
マンションなどの集合住宅の完成済み物件を購入する場合、物件全体の管理状態を確認することはとても重要です。管理費や修繕積立金が適切に設定されているか、共用部分の清掃や設備のメンテナンスが行き届いているかを確認しましょう。
また、管理組合の運営状況や、管理会社の対応も重要なチェックポイントです。
管理体制がしっかりしている物件は、長期的に見て建物の価値を維持できる可能性が高く、安心して住み続けることができるでしょう。
まとめ
完成済み物件には、契約後すぐに入居できるという利便性や、実際に物件を確認してから購入を決められるという安心感があります。
しかし、カスタマイズが難しい点や、建築中の品質を確認できない点など、注意すべきポイントも少なくありません。
完成済み物件の購入を検討する際は、物件の施工品質や周辺環境、管理状態をしっかりと確認し、自分たち家族にとって最適な住まいかどうかを慎重に判断することが重要です。
住み始めてからの具体的な生活をイメージしながら、バランスの取れた選択をおこない、満足のいく住まいを見つけましょう。