昨日まではちゃんと便が出ていたのに、今日は全く出ていない…。
初めての妊娠、初めての出産、初めての育児…となると、分からないことがたくさんあって慌てる方も多いのではないでしょうか。
初めてのことだからこそ、色んなことをやる余裕がなくなってしまいがちです。
特に初めての出産・子育てで、赤ちゃんが便秘になってしまったときは慌てる親御さんも多いと思います。
今回は、現在赤ちゃんの子育て真っ最中のママに見てほしい、赤ちゃんが便秘になったときの対処方法や病院受診の目安などについて紹介します。
これから出産される方、子育て真っ最中の方に見ていただければ幸いです。
赤ちゃんは便秘になりやすい?
赤ちゃんは快便や軟便だというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は便秘の赤ちゃんも少なくありません。
赤ちゃんは、腸などの消化器官が未発達で、便の形状や排便のペースが安定しにくいことに加え、筋肉量も少ないので便を出そうといきむ力が弱く、便秘を起こしやすいと言われています。
ここでは、赤ちゃんの月齢別にどんな便をするのかを見ていきます。
【新生児期】
生後1~2日目くらいまでは黒緑色のどろっとした、海苔の佃煮のようなうんちです。
これは「胎便」といって、ママのお腹にいた頃に飲み込んだ羊水や胎脂などが便になったものです。
生後2~4日目、母乳やミルクを飲み始めて赤ちゃんの腸が動きはじめると、腸の中に残っている胎便が押し出され、便は黒緑色から黄色に変化していきます。
硬さは大人に比べるとゆるい状態で、下痢をしているのでは?と心配になるママもいますが、母乳など液体しか口にしていないので、問題はありません。
ある程度進むと、胎便が腸から全て出て、黄色~茶色の便になります。
母乳やミルクなど、口から入ったものが便として出てきます。
基本的にはドロドロとした軟らかさです。
1日の便の回数は赤ちゃんによって違いますが、2~10回くらいと言われています。
多い子は15回近くする子も。
母乳育児の赤ちゃんは授乳のたびに少しずつ便が出て、毎回オムツを変える必要があるかもしれません。
ミルク育児の赤ちゃんは回数が少なめで、母乳育児の赤ちゃんより硬い便になります。
このころの便秘は、腸の発達の影響や、授乳回数が減っていくことに伴う場合が多くみられます。
また、ミルクや母乳の量がたりないと、腸に十分な水分が供給されず、便秘になる場合もあります。
【生後2~3ヶ月ごろ】
この時期の赤ちゃんは、個人差が大きいものの、ミルクの赤ちゃんは便の回数が少なめになる傾向があります。
便はまだ水っぽいものが多いです。
個人差はありますが、便の回数が1日3回という赤ちゃんもいれば、10回以上の赤ちゃんもいます。
母乳で育つ赤ちゃんの方がミルクで育つ赤ちゃんよりも、便が軟らかく回数も多いといった違いもあります。
また、この時期の赤ちゃんは、急に便が出なくなることがあります。
これは消化器官の働きが高まって、腸から体に水分が吸収されやすくなるためで、とくに母乳の場合に多くみられます。
【離乳食を始めたころ】
離乳食が始まり、順調に離乳食期が進むかどうか不安に思うご家庭もありますよね。
そんな中、食事の心配だけでなく、赤ちゃんが便秘になって食欲が落ちてしまい、不安になる親御さんも多いです。
離乳食が始まると、母乳やミルクを飲む量が減ります。
そのため、必然的に水分摂取量が少なくなります。
水分の不足によって便が硬くなると、腹筋の弱い赤ちゃんは上手に排便ができなくなるのです。
便の回数としては1日2~4回程度という赤ちゃんが多いですが、離乳食を始めてからコロコロとした硬い便が出るようになったら要注意。
ひどくなると便秘だけでなく、切れ痔の原因となることもあるので早めに対処しましょう。
【離乳食後期】
離乳食後期から完了期になると、消化能力も高まって便はさらに大人に近づいてきます。
便の量や回数もその子なりにだんだんと定まり、1日1~2回程度に落ち着いてくる子が多いです。
この頃には食物繊維の多いものを食べるとお通じがよくなるなど、大人と同じような効果も表れてきます。
その一方で、食べる量や内容によってお腹の調子が変わりやすい子もまだ少なくなく、とくに1歳近くなると、日中の遊び方や睡眠リズムなども便通に影響があるなど、食べ物だけでは判断しにくい場合も出てきます。
食事量、水分量とともに生活サイクルも含めて整えていきたい時期です。
この頃は便秘のかたいウンチで肛門が切れたり、肛門が拡張してイボのようなヒダができたりすることがあります。
ヒダは成長すると自然になくなることがほとんどですが、ヒダの間に汚れたまりやすいのでぬるま湯などで洗い流して清潔にしておくことが大切です。
赤ちゃんの便秘が疑われるときの症状
ここでは、赤ちゃんの便秘が疑われるときの症状について解説します。
具体的には以下の通りです。
・便の回数が減っている
・便の量が少ない、便が固い
・赤ちゃんの機嫌が悪い
・おっぱいやミルクを欲しがらない、吐き戻す
それぞれを詳しく見ていきましょう。
・便の回数が減っている
赤ちゃんによって1日の便の回数は異なりますが、通常の便の回数を把握し、比較することが重要です。
例えば、
「1日に5回以上は便が出ていたのに今日は全く出ていない」
「毎日出ていたのに、3日便が出ていない」
など、普段の回数よりも少ない場合は、便秘の可能性が考えられます。
・便の量が少ない、便が固い
赤ちゃんの便の状態の変化も便秘の判断材料になります。
便の量が少ない場合は、お腹の中に残便があり、すべて出しきれていない可能性が考えられます。
また、固い便も便秘のサイン。
放っておくと、排便時に肛門付近を傷つけてしまう恐れもあります。
・赤ちゃんの機嫌が悪い
赤ちゃんのお腹に便が溜まって不快な状態が続くと、赤ちゃんの機嫌が悪くなります。
赤ちゃんに食事をしっかり与えて、オムツも替えたのに泣いてばかりいる場合は、もしかすると便秘の可能性があるかもしれません。
・母乳やミルクを欲しがらない、吐き戻す
赤ちゃんが母乳やミルクを飲みたがらなかったり飲む量が減った場合は、お腹に便がたまって食欲が減退している可能性が考えられます。
時には吐き戻してしまうことも。
普段と違う様子はないか、しっかりと見てあげましょう。
赤ちゃんの便秘を改善するには
ここでは、赤ちゃんの便秘を解消するために家庭でできることを紹介します。
具体的には以下の通りです。
・水分を多く摂らせる
・食物繊維を多めに摂らせる
・生活習慣を整える
・ベビーマッサージをする
・綿棒浣腸をする
それぞれを詳しく見ていきましょう。
・水分を多く摂らせる
特に離乳食を食べ始めた頃の赤ちゃんは、母乳やミルクが減った分だけ水分が不足してしまいがちです。
そのため、便が固くなりがちで便秘の原因に繋がります。
白湯やお茶で、不足した水分を補うように意識して飲ませましょう。
・食物繊維を多めに摂らせる
こちらも離乳食が始まっている赤ちゃんになりますが、さつまいものペーストやリンゴをすりおろしたものなど、食物繊維が多い食材を与えましょう。
また、ヨーグルトも毎日少しずつ食べさせると、お通じが良くなる可能性が期待できます。
・生活習慣を整える
生活習慣を整えることも便秘改善のための一つの方法です。
具体的には、ミルクや離乳食はなるべく決まった時間に与え、生活リズムを整えるなどです。
さらに、夜寝かせる時間や起床時間も決めると、自律神経の働きを整える効果が期待できます。
自律神経は排便リズムをコントロールしているので、これを整えることで便秘も解消できる効果が期待できるでしょう。
・ベビーマッサージをする
ベビーマッサージの中には、赤ちゃんの便秘解消に効果があるものもあります。
その方法は、赤ちゃんのおへそを中心に、大腸の形に沿うように時計回りで円を描くように少し圧をかけながら優しくゆっくりマッサージをします。
このとき、ベビーマッサージ用のオイルなどを使いましょう。
オイルを使用することで、赤ちゃんのお肌を傷つけず、心地よさだけを伝えることが出来ます。
ただ、授乳や食事直後に行うことは吐き戻しの可能性がありますので避けましょう。
また、お腹のマッサージ以外にも赤ちゃんの両足を持って、自転車を漕ぐようなイメージで交互にゆっくりと動かす運動もおすすめです。
運動不足も便秘の原因になりますので、ねんね期の赤ちゃんでも、足をたくさん動かしてあげると適度な運動になって腸の動きが活発になりますよ。
・綿棒浣腸をする
マッサージなどでも便秘の症状が改善しない場合、「綿棒浣腸」という方法もあります。
これは、綿棒で赤ちゃんの校門付近を少し刺激する方法です。
やり方は難しくなく、以下のような手順で行います。
①綿棒の先にベビーオイルやワセリンなどを塗る
②肛門から1cmほど挿入する
③ゆっくりと回すように10秒ほど綿棒を動かす
あまり強く刺激しないようにすることがポイントです。
赤ちゃんの便秘で病院受診はあり?判断基準は?
ここでは、赤ちゃんの便秘で病院を受診するのはありかどうかについて解説します。
家庭でできる対処法を試しても便秘が解消しない場合や、次のような症状が出ている場合は、すぐに病院やクリニックで診てもらいましょう。
【病院受診をする目安】
・熱があり、ぐったりとして元気がない
・おなかがパンパンに張っている
・排便に血が混じっている
・繰り返し嘔吐している、また嘔吐が緑色
・1週間以上の便秘を何度も繰り返す
上記のような場合は、腸の機能異常や重度の便秘、またその他の病気である可能性があります。
赤ちゃんの消化器官は未発達なため、便の形状やペースが安定しません。
さらに、筋肉量も少ないため、便を出すためにいきむ力が弱く、便秘を起こしやすいといわれています。
また、赤ちゃんは自分で便秘の症状を伝えることができません。
ですので、日頃から親御さんや周りの大人が様子を観察し、違和感を感じ取ることができるようにしていきましょう。
家で出来る対処法を実践しながら赤ちゃんの便秘対策!
今回は、多くのママが不安に思う「赤ちゃんの便秘」について、家でもできる対処方法や病院受診の目安について解説しましたが、いかがでしたか?
赤ちゃんはまだおしゃべりができないので、自分の身体の不調を言葉で伝えることができません。
しかし、親御さんがしっかり見てあげることによって体調の変化に気づきやすくなります。
離乳食が始まると便秘をしやすくなりますが、今回の記事で紹介した対処方法を参考に、いざというときに対処していただければと思います。
この記事がこれから出産される方、新米ママ、赤ちゃんの便秘が気になっている方の参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。