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災害時に愛猫の安全を守るためには、しっかりと防災グッズを準備しておくことが重要です。しかし、「猫を連れて避難所に行けるのか」「どのような防災グッズが必要なのか」と不安に感じる飼い主さんも多いでしょう。この記事では、猫の防災グッズとして必要なアイテムをリスト化し、具体的な避難準備や地震対策についてくわしく解説します。災害時でも愛猫と安心して過ごしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

猫の避難に備えるために知っておきたい防災グッズの基礎知識

キャリーから外を覗く子猫

東日本大震災以降、「ペットは同行避難」という考え方が広がってきました。しかし、すべての避難所が猫を受け入れているわけではないため、事前の確認が不可欠です。自治体によっては、公式サイトに猫の防災グッズや同行避難に関する情報を掲載している場合もあります。愛猫の安全を最優先に、しっかりと準備を整えましょう。

「同行避難」と「同伴避難」の違いに注意

「同行避難」と似た言葉に「同伴避難」があるものの、意味が異なるので注意が必要です。

同行避難避難所までペットと一緒に避難すること
同伴避難避難所でペットと一緒に生活すること

同伴避難が可能な場合でも、人とペットの生活スペースは基本的に分かれています。飼い主さんは愛猫のいる所に通いながらお世話することを前提に、猫の防災グッズを準備しましょう。

在宅避難も選択肢の1つ

自宅が無事であれば、在宅避難も選択肢の1つとしておすすめします。避難所はペット用の備蓄や環境が十分に整っていない場合が多く、環境の変化に弱い猫にとってはストレスになるのがリスクです。大きな被害を受けずに安全であれば在宅避難を検討し、猫のための防災グッズをしっかりと備蓄しておくのも良いでしょう。

災害時に愛猫を守るためのフード備蓄方法

ご飯を食べる猫

災害時には、人間だけでなく猫もフードや飲み水の備蓄が欠かせません。最低でも5日分、できれば7日分以上を用意しておきます。普段からローリングストックを活用し、常に必要なフードや防災グッズが揃っている状態を維持することが重要です。

備蓄の基本はローリングストック

猫の防災対策は、「日頃から慣れているフードやグッズを用意しておく」というのが大切なポイントとなります。災害時は支援物資が届いたとしても、愛猫が好むフードやグッズが手に入るとは限りません。フードであれば1パック買い置きしておくと、約1か月分の食事がストックできます。

猫のための必需品リスト

キャットフード・おやつフードやおやつには賞味期限があるため、定期的に消費と補充を行いましょう。療法食を食べている猫の場合は、多めにストックしておくと安心です。
常備薬持病のある猫には、最低でも1週間分の薬を用意しておきます。
トイレグッズ猫砂やペットシーツは使用期限が長いため、防災用として別に保管しておくと便利です。ペットシーツや防臭袋は、トイレ処理以外にも役立つので、余裕を持って準備しておきます。
ペット用ウェットティッシュ断水時には、ウェットティッシュが非常に役立ちます。ペット用は入手困難になりやすいため、多めにストックしておきましょう。

飲み水は「軟水」を選ぼう

猫の防災グッズとして、飲み水の確保は忘れてはならないアイテムです。選ぶ際は、ミネラルの少ない「軟水」を選ぶのがポイントです。硬水はミネラルが多く含まれており、猫の腸や腎臓、膀胱に負担をかける可能性があります。

水は保存用の必要はなく、普段使用しているものをローリングストックすれば十分です。防災用に長期保存水を用意するようであれば、愛猫に試飲させてみましょう。持病がある猫の場合は、かかりつけの獣医師に相談するのがおすすめです。

猫の安全を考えた地震対策と避難準備

キャットタワーにのぼる2匹の猫

猫は自宅で被災する可能性が高いため、室内の安全対策は欠かせません。とくに地震は予測が難しく、日頃から万全な準備をしておく必要があります。万が一、避難命令が出た際は、冷静に行動できるように避難準備は早めに整えておきましょう。ここでは、愛猫の安全を最優先に考えた具体的な対策を紹介します。

家具やケージの固定

地震による家具の転倒を防ぐためにも、ケージやキャットタワーの固定は必須です。猫の防災グッズと同様に、飼い主さんが事前に準備すればリスクが減らせます。具体的には、以下のような対策がおすすめです。

ケージの固定

ケージは、専用のチェーンで壁に固定するのが最も安全です。付属品としてチェーンがないようであれば、オープンラック用の耐震器具を活用します。背が高いケージは、上に板を載せて突っ張り式の耐震器具を使うと安定させられます。キャスター付きのケージは、普段からロックをかけるか、ストッパーを設置しておくと安心です。

キャットタワーの固定

突っ張り型のキャットタワーは、定期的にネジの緩みを確認し、必要に応じて締め直しましょう。据え置き型のキャットタワーは、一般的に重心が低く設計されています。安全性をより高めるために、滑り止めや耐震マットを敷くと良いでしょう。タワーの素材との相性を考慮しながら、適切な対策を講じることが大切です。

季節ごとに猫の防災グッズを見直す

季節によって必要な猫の防災グッズは異なり、雷雨が多い夏には停電対策も必要です。自動給水器や自動給餌器を使用している場合は、次の対策を検討しましょう。

・乾電池やバッテリー対応の製品への変更

・ポータブル電源の導入

・飼い主が不在時に愛猫の世話を頼める人を見つけておく

猫は体温調整が苦手なため、エアコンが使えないと熱中症のリスクが高まります。停電に備えて、室温や体温を下げるために以下の手段を用意しておくと安心です。

・保冷剤や凍らせたペットボトルを冷凍庫に常備

・水が飲める場所を増やす

・アルミや大理石の冷たいマットを使用する

夏だけでなく、冬に向けては防寒対策が必要となります。愛猫が寒さをしのげるよう、以下のアイテムを防災グッズに加えておくのがおすすめです。

・ブランケット

・カイロ

・カセットコンロ(お湯を沸かして湯たんぽを作る)

・カセットガスストーブ

・USB式電気毛布

避難時に欠かせないキャリーやケージ

避難時に愛猫を守るためには、キャリーやケージに慣れさせておきます。猫の防災グッズの準備に加えて、トレーニングを進めておきましょう。災害時にスムーズに避難ができるようになり、命が助かる可能性が高くなります。

また、地震直後の室内では以下のような危険が考えられます。

・ガラスや陶器類が床に散乱

・家具の転倒

・窓やドアの破損

家の中が散乱した状況では、猫が自由に歩き回るのは非常に危険です。片付けが終わるまでの間、キャリーやケージで待機できると安全です。

キャリーやケージが苦手な猫であれば、次のステップでトレーニングしてみましょう。

・猫が過ごす部屋に置いてキャリーの存在に慣らす

・愛猫のニオイがついたグッズを入れてくつろげる場所と印象づける

・キャリーに入れて5分ほど家の周りを歩く

迷子対策として準備したい首輪やマイクロチップなどの防災グッズ

災害時には、猫がパニックを起こして迷子になるリスクが高まります。迷子対策として首輪やマイクロチップの装着は、猫の防災グッズの一環としておすすめです。とくにマイクロチップは、飼い主さんの元に戻る確率を高めます。

普段から首輪をつけている猫であれば、飼い主さんの連絡先が記載された迷子札をつけておきましょう。ただし、避難中に首輪が外れてしまうリスクもあるため、マイクロチップも装備しておくと安心です。首輪と違い外れる心配がなく、飼い主さんの住所や連絡先を特定できるメリットがあります。

なお、令和4年6月1日以降、ブリーダーやペットショップで販売される猫にはマイクロチップの装着が義務化されました。情報の登録や変更は、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」から行えます。

迷子対策を強化したい場合、猫の全身や特徴がわかる写真を用意しておきましょう。印刷した写真を防災グッズとしてポーチや財布に入れておけば、スマホのバッテリーがなくても愛猫を探せます。あらかじめ迷子ポスターを作成しておくと、非常時でも周知しやすくなります。

ワクチン接種や健康管理を考慮

避難先では他の動物と接触する可能性があるため、定期的なワクチン接種や寄生虫予防は猫の防災対策として欠かせない準備です。避難所によっては、ワクチン接種済みの証明書を求められる場合もあるため、防災グッズに一緒に入れておきましょう。日頃から健康管理に気を配り、必要な書類を整理しておくことも災害対策となります。

また、緊急時に愛猫に関する情報をシェアできるように、以下の内容を書き出しておくと便利です。

・かかりつけの動物病院

・予防薬のスケジュール

・既往歴

・体質

・食事の量

・好きなフード

他にも、飼い主さんに万が一のことがあった場合に備えて、「自宅に猫がいる」というカードを携帯しておくと、愛猫が助かる確率を高められます。

愛猫を守るための避難先を複数確保

避難先の選択肢は多いほど安心なので、ペットホテルや親戚宅も検討しておきましょう。愛猫のための防災グッズを準備しておけば、避難先がどこに決まっても安心です。水害リスクが高い地域では、自治体のハザードマップを参考に安全な避難先のリストアップをおすすめします。

他の動物と過ごすのが苦手な猫の場合は、避難所よりも知人や親戚宅への避難が望ましいかもしれません。過去の災害では、ペットのために車中泊を選ぶ飼い主さんも多く見られました。車での避難が考えられる場合は、車中にも防災グッズを備えておく必要があります。

環境の変化に弱い猫だからこそ、災害時に慌てずに対応できる準備が必要です。平常時に避難先の情報を調べ、友人や知人に協力をお願いしておきましょう。

猫と一緒に避難する際の防災グッズリスト

ハーネスを付ける猫

愛猫のために必ず揃えておきたい防災グッズは、以下の通りです。

・フード(最低でも2日分以上)

・水

・薬

・おやつ

・食器(フードと水で分ける)

・簡易トイレ(容器と猫砂の代わりになるもの)

・防臭袋

・消臭スプレー

・リード

・猫用ウェットティッシュ

・洗濯ネット(飛び出し防止用)

・ブランケットやバスタオル(愛猫が落ち着くものを推奨)

・予防接種や既往歴の証明書類

・飼い主さんの連絡先

防災グッズはリュックにまとめておくと、両手が使えて避難しやすくなります。緊急時にすぐ持ち出せるよう、玄関近くに防災グッズ専用のスペースを確保しておくのがおすすめです。

避難生活が長期化した場合でも、安全が確認され次第、必要な物資を自宅に取りに戻れます。不安を感じるかもしれませんが、身軽に動けるようリュックには最低限のアイテムだけを詰めるようにしましょう。

防災グッズは猫に必要なものを厳選して用意しよう

くつろぐ猫となでる飼い主の手 

猫の防災グッズは、ローリングストックで備蓄するものと防災リュックに入れるものを分けて準備します。フードや水、トイレグッズは5日分以上を目安にストックし、避難時には最低でも2日分を持ち出せるようにしておくと安心です。防災グッズの準備と一緒に、家具の転倒防止対策や避難先の検討、ワクチン接種の確認も進める必要があります。日頃の準備が愛猫の安全につながることを理解し、今すぐ防災グッズの準備を始めましょう。

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