
節分といえば、豆まきと恵方巻きです。最近ではすっかりおなじみになりましたが、「なぜ恵方巻きを食べるのか?」という由来まで知っている方は、意外と少ないのではないでしょうか。もしかしたら、何となく習慣で食べている、という方もいるかもしれません。
ですが、せっかくなら意味を知って食べた方が、よりご利益がありそうですよね。2025年の恵方は「西南西やや西」。方角を意識しながら、正しい食べ方で1年の運気を向上させましょう。
この記事では、「2025年の恵方巻き」について解説しています。節分を迎えるにあたって知っておきたい「恵方巻きの正しい食べ方」や「縁起の良い食べ物」、「豆まきの手順」も紹介しているので、ぜひ家族と一緒に楽しんでください。
2025年の恵方巻きの方角は西南西やや西
2025年の恵方巻きを食べる方角は、西南西やや西です。 完全に西南西ではない点に注意しましょう。方位角でいうと、255度になります。地図アプリや方位磁石のアプリを使って調べる方法がオススメです。
恵方は、その年の福徳を司る歳徳神(としとくじん)がいらっしゃる方角とされています。歳徳神は毎年異なる方角にいらっしゃるため、恵方も毎年変わるのです。歳徳神がいらっしゃる方角を意識して恵方巻きを食べて、良い運気を呼び込みましょう。
節分は2月2日(日)
2025年の節分は2月2日(日)です。節分といえば2月3日をイメージしがちですが、実際は異なります。
立春は太陽の動きに基づいて決まるため、年によって日付が若干前後します。2025年は2月3日が立春となるため、その前日である2月2日が節分です。
この日を境に暦の上では春となるため、節分は冬と春の分かれ目として重要な意味を持っています。
実は年に4回ある
節分は本来、年に4回あります。節分とは、各季節の始まり(立春・立夏・立秋・立冬)の前日を指す言葉なためです。
かつては季節の変わり目には邪気が入りやすいと考えられており、それぞれの季節の変わり目に厄払いの行事が行われていました。ちょうど、風邪を引きやすくなる時期です。
そのため江戸時代以降、特に立春の前日に行われる節分が重要視されるようになり、現在では一般的に「節分」といえば立春の前日を指すようになりました。
恵方巻きの恵方とは十干と十二支を組み合わせたもの
恵方は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせで決まります。
聴き慣れない言葉ですが、十干は「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類。十二支は「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類です。年配の方の中には、「丙午(ひのえうま)」の年に出生数が前縁比マイナス25.4%になったというニュースを知っている方もいるのではないでしょうか。
両者を組み合わせて60通りの組み合わせを作り、年ごとに割り当てられた方角が恵方です。例えば「丙午」の年では南南東が恵方、「甲辰(きのえたつ)」の年では西南西が恵方というように、毎年異なる方角が選ばれます。
地域によって名前が違う
恵方巻きという名前は、大阪を中心とした関西地方での呼び方です。かつては関西地方でのみ親しまれていたイベントでしたが、1980年代にそれに目を付けたセブンイレブンが、恵方巻きとして全国に売り出した結果、広まりました。
そのため、恵方巻きは地域によって異なる名前があります。例えば、丸かぶり寿司や幸福巻、招福巻といった呼び方です。どれも福を招きそうな名前になっていますね。
こうした呼び方は恵方巻きの形状や食べ方、縁起の良い意味合いなどを表現しています。
具材が7種類入っているものが望ましい
恵方巻きの具材は7種類が望ましいとされています。七福神にちなんで、7種類の具材を入れて福を巻き込むという意味が込められているためです。一般的には、以下の具材が良いと言われています。
かんぴょう:細くて長いため「長寿祈願」や「縁結び」
きゅうり:名前から「九の利を得る」
桜でんぶ:鯛などの白身魚をほぐして桜色にするため「めでたい」
うなぎ:うなぎのぼりに通じて「上昇・出世」
しいたけ:かさの形が陣笠に似ているので「身を守る」
卵焼き:金色なので「金運上昇」
海老:腰が曲がるまで「長生き」
それぞれにちゃんと意味があります。ただ、近年は恵方巻き自体がイベントになっているので、あまり気にする必要はありません。
美味しい恵方巻きを食べて活力を身につけられれば、それで充分に効果があります。
恵方巻きの正しい食べ方
恵方巻きには正しい食べ方があります。どのように食べるのか、詳しく見ていきましょう。
恵方を向いて食べる
まず、福を呼び込むために恵方を向いて食べます。歳徳神がいらっしゃる方角を向いて食べることで、歳徳神から福を授かるためです。
2025年の恵方は西南西やや西、225度なので、事前に調べておくと良いでしょう。
太巻きは1人につき1本
恵方巻きは1人につき1本食べるのが良いとされています。太巻きを丸ごと1本食べることで、福を逃さずに丸ごと取り込むという意味が込められているためです。
家族で食べる場合でも、それぞれが1本ずつ用意するのが一般的です。お子様やダイエット中の方は、小ぶりなものを選ぶと良いでしょう。
包丁で切らない
恵方巻きは包丁で切らずに食べます。包丁で切るのは縁を切るという意味に通じるため、縁起が悪いとされています。
また、太巻きを丸ごと食べることで、運を断ち切らずに繋げるという意味も込められています。なるべく切らずに食べるようにしましょう。
ただし、体調などによって難しい場合は、切るようにしてください。体を優先しましょう。
食べ終わるまで話さない
恵方巻きは食べ終わるまで話さずに食べるのが良いとされています。話してしまうと、せっかくの福が逃げてしまうと考えられているためです。
願い事を思い浮かべながら無言で食べ進めることで、願いが叶いやすくなるとも言われています。せっかく福を招くのですから、流れ星に願い事をするのと同じように、その時間だけは願いに集中しましょう。
なお、地域によっては目を閉じたり、笑ったりすると良いとも言われています。そうした謂れがある地域は、合わせるようにしましょう。
恵方巻きと一緒に食べたい節分の縁起物
節分には恵方巻きと一緒に食べたい縁起物があります。どのようなものか詳しく見ていきましょう。
豆
節分の食べ物の代表格が、豆です。節分の時期になると、コンビニやスーパーなどいろんな場所で見かけますよね。
豆まきに使われる大豆は、古くから邪気を払う力があると信じられています。また、「魔を滅する(まめ)」に通じる語呂合わせから、鬼を滅ぼすという意味もあります。
炒った大豆をまき、自分の年の数だけ食べることで厄を祓い、一年の無病息災を願うのが節分です。恵方巻きとセットで食べると良いでしょう。
イワシ
節分にはイワシを食べる習慣もあります。鬼はイワシの臭いが嫌いとされており、焼いたイワシの頭を柊に刺して飾ると、鬼の侵入を防げると信じられていました。実際、イワシの臭いは強烈なので、鬼が近付かなく理由がわかります。
特に西日本では節分にイワシを食べる習慣が残っており、恵方巻きと一緒に食べる家庭も多くあります。節分の食卓を彩る一品として、オススメです。
そば
節分にそばを食べる地域もあります。無病息災や金運アップを願ってのことです。大晦日に食べる年越しそばと同じ意味を持っています。
また、そばを切って食べることから、厄を切るという意味もあります。健康食としても優れているので、恵方巻きと一緒に食べてみるのも良いでしょう。
こんにゃく
節分に食べる食材として、こんにゃくもオススメです。こんにゃくは体内の砂おろし(清掃)をすると考えられており、体の中の悪いものを出すという意味が込められています。
実際、こんにゃくに多く含まれている「グルコマンナン」は不溶性食物繊維に変化するため、肥満や糖尿病などの予防効果に期待できます。
煮物やおでんなどにして、付け合わせで食べると良いでしょう。滋賀県の方は、赤こんにゃくにすると一緒に鉄分も摂れるのでオススメです。
くじら
山陰地方などの一部地域では、節分にくじらを食べる習慣があります。くじらはかつて貴重な食料であったため、その力強さから縁起物として扱われていました。
そこから邪気を払ったり、大きな幸せを願ったりといった効果があるとされています。
くじらを食べられる場所は限られていますが、節分というタイミングで口にしてみるのも良いでしょう。
節分の正しい豆まきのやり方
節分の豆まきを何となくでやっていませんか? 実は豆まきには正しいやり方があります。ここからは、どのようなやり方なのかを詳しく解説します。
Step1.豆をお供えする
豆まきの前に、まず神棚や家の中心となる場所に炒った大豆をお供えします。神棚が無い場合は、高い場所に置いておいてください。
その際、枡に入れたり、三方に入れたりすると効果的と言われています。それらが無い場合は、白い紙の上に置くと良いでしょう。
Step2.夜に豆をまく
豆まきは夜にするのが一般的です。鬼は真夜中にやってくるので、夜に豆まきをするようになったと言われています。
夜が難しい場合は昼でも大丈夫ですが、なるべく家族で集まって豆まきしましょう。現代の生活に合わせて、夕食後など家族が集まりやすい時間帯にする方法がオススメです。
Step3.奥の部屋から豆まきをする
豆まきは家の中にいる鬼を追い出す意味もあるので、家の奥の部屋から始め、最後に玄関まで行きます。この際、鬼が戻らないように、まいた後すぐに戸や窓を閉めるようにしましょう。
また、豆まきはどこから豆をまくのかも重要です。間取りにもよりますが、例えば家の1番奥から寝室、子供部屋と続くなら、以下のような形になります。
寝室 → 子供部屋 → リビング → 玄関
各部屋で「鬼は外!」と叫びながら豆をまき、室内に向かって「福は内」と豆をまきます。これを玄関まで繰り返しましょう。
ただし、マンションやアパートの場合は、外に向かって豆まきできない場合があります。その際はベランダに向かっていけば大丈夫です。
Step4.年齢の数だけ豆を食べる
豆まきが終わったら、自分の年齢の数だけ豆を食べます。年の数だけ豆を食べることで、1年間の無病息災を願うという意味があります。この際、数え年で数えるため、年齢+1個を食べるのが基本です。
ただし年齢を重ねるほど食べる豆の量が増えます。食べきれないという場合は、熱いお湯を注いで福茶にするといった方法がオススメです。効果は変わらないと言われています。
節分の豆は子どもに食べさせないよう注意が必要
小さい子どもに豆を食べさせる際は、注意してください。豆は気管に入りやすく、窒息の危険性があるためです。実際、消費者庁では、5歳以下の子どもには節分の硬い豆やナッツ類を食べさせないよう注意勧告をしています。
また、食べなくとも鼻に入れて取れなくなるといったケースもあります。小さい子どもは何をするかわからないので、目を離さないようにしましょう。
2025年も恵方巻きを食べて良い運気を呼び込もう
恵方巻きは、もはや国民的行事の1つです。恵方巻きには福を巻き込み、一年の幸運を願うという意味が込められています。2025年も恵方巻きを食べて、良い運気を呼び込みましょう。
家族や友人と一緒に恵方巻きを食べつつ豆まきをすることで、より楽しい節分になりますよ。