「涼しくなってきたから登山に挑戦してみたい」
「登山の初心者なんだけど、滋賀県でオススメの山ってある?」
このように考えている人は多くいます。10月は気温が涼しく、滋賀県での登山には最適な季節です。
ですが、初心者にとって「どの山を選べばいいのか」「どんな準備が必要なのか」といった悩みは難しい部分でもあります。実際、判断基準がわかりませんよね。
平地と比べて標高の高い山では、朝晩の寒暖差が激しく、防寒対策やライトの持参などが重要です。野生生物との遭遇にも気を付けなければいけません。
そこで今回は、初めて登山をする方に向けて、「10月の登山にオススメの滋賀県の山」を紹介します。その他、10月に登山をするなら知っておきたい「楽しむポイント」も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【初心者向け】10月に登山をしたい滋賀県の山オススメ5選
秋も本格化する10月は、山々が色づき始める季節です。紅葉を楽しみながら登山できるのは、10月ならではの魅力といえるでしょう。
ここからは、そんな10月の登山にオススメの山々を5つ紹介します。どれも初心者向けなので、初めての方は今回紹介する山から挑戦してみてくださいね。
【高島市】赤坂山 | 824m
赤坂山は、初心者でも気軽に登れる山のひとつです。標高は824mとそれほど高くなく、登山道も整備されているため、安心して登山を楽しめます。
場所は高島市マキノになり、近くには紅葉で有名なメタセコイア並木があります。登山のついでに寄ってみるのも良いでしょう。
赤坂山は高島トレイルを代表する山であり、「花の百名山」にも選定されています。特に秋は、ススキが広がる風景が美しく、まるで絵画のような絶景を楽しめます。
山頂からは、琵琶湖と日本海を一望でき、爽快な気分を味わえる点も魅力です。山頂まで続く登山道の一部は昔、若狭と近江、京と結んだ街道だったこともあって、石畳も残っています。登山をしながら歴史に思いを馳せるのも、オススメの楽しみ方となっています。
下山後は白谷温泉やマキノ高原温泉で疲れを癒やすのも良いでしょう。登っても下っても楽しめる山です。
所在地 | 滋賀県高島市マキノ町牧野 |
アクセス | JR湖西線:マキノ駅からマキノ高原線バスに時計回りで13分、「マキノ高原温泉さらさ」下車、マキノ高原内に登山口 |
お問い合わせ | マキノ高原 TEL:0740-27-0936 FAX:0740-27-0300 |
【長浜市】賤ヶ岳 | 421m
賤ヶ岳は、歴史好きでは知らない人はいないであろう有名な山です。羽柴秀吉と柴田勝家による賤ヶ岳の戦いの舞台となった場所としても知られています。山頂には「地本槍古戦場賤ヶ岳」と書かれた柱が立てられている点も、ならではといえるでしょう。
また、史跡だけでなく景色に魅了される方も多く、山頂からは、山々に囲まれたびわ湖を一望できます。その雄大さから、「新雪 – 賤ヶ岳の大観」は琵琶湖八景のひとつに数えられているほどです。
標高も低く、麓の大音からリフトに乗れば、山頂まで歩いて10分で到着できます。非常に地元の子供たちも登山することから、非常に挑戦しやすい山といえるでしょう。
物足りない場合は、賤ヶ岳から続く尾根の南端にある山本山に縦走するのもオススメです。
所在地 | 滋賀県長浜市木之本町大音 |
アクセス | JR琵琶湖線:JR木ノ本駅からバスにて約5分 北陸自動車道:木之本インターから約3分 |
お問い合わせ | (公)長浜観光協会 TEL:0749-53-2650 FAX:0749-53-3161 |
比叡山 | 848m
比叡山は、天台宗の根本道場として知られる霊山です。古くから多くの僧侶たちが修行を積んできた場所で、歴史と文化を感じながら登山を楽しめます。麓の坂本にある比叡山高校の隣から伸びている「坂本ケーブル」を使えば、国宝の根本中堂まで行くことも可能です。
ただ、登山をする場合は日吉大社の入り口横にある本坂から徒歩で登るルートが良いでしょう。登山道も険しくなく、比叡山高校の生徒が毎年徒歩で登っているほど歩きやすいルートです。
山頂からは、京都市街地や琵琶湖が一望でき、特に夜景は言葉では言い表せないほどの美しさがあります。
登山ルートも豊富なため、何度行っても楽しめる山です。
所在地 | 滋賀県大津市坂本本町4220 |
アクセス | JR湖西線:比叡山坂本駅から徒歩約20分 京阪石坂線:比叡山坂本駅から徒歩約5分 叡山電車:修学院駅から徒歩約35分 |
お問い合わせ | 比叡山延暦寺 TEL:077-578-0001 FAX:077-578-0678 |
三上山(近江富士) | 432m
三上山は、その美しい形から「近江富士」とも呼ばれています。俵藤太のムカデ退治伝説の舞台となったことでも有名です。古くは、三上山が見えると京都が近付いてきたと旅人が安堵したとも言われているほど、親しまれてきた歴史を持っています。
標高は432mと低く、気軽に登れるのが魅力となっています。3つのルートの登山道が整備されているため、自分に合ったルートを選んで登るようにしましょう。
山頂からは、琵琶湖や近隣の山々を一望できるのはもちろん、天気が良いと奈良県の生駒山まで見られます。山頂付近には御上神社奥宮があり、祭神である天之御神神が降り立ったとされています。登山の無事をお祈りするのも良いでしょう。
登山をする人の中には、子供と一緒に登る人も多いため、家族連れにもオススメです。
所在地 | 滋賀県野洲市三上 |
アクセス | JR琵琶湖線:野洲駅南口から「滋賀バス」に乗車し、約8分。「山出前」で下車。 車:名神栗東ICから国道8号線経由で約10分 |
お問い合わせ | 泰観光物産協会 TEL:077-587-3710 |
太神山(田上山) | 600m
太神山は、豊かな自然が残る山です。田上という地域にあることから、田上山とも呼ばれて親しまれています。近くに瀬田川が流れており、古くは藤原京の時代から資材として伐採されてきたエピソードが有名です。一時期はハゲ山になっていましたが、現在は地元の人たちによって植樹が進み、少しずつ元の姿を取り戻しています。
また、花崗岩でできており、単調ながらも険しい登山道という特徴があります。そのため、整備された登山道ながら、少しだけ探検気分を味わえる点も魅力です。インディ・ジョーンズになった気分で登山してみましょう。
また、田上山群を総称して湖南アルプスとも呼ばれ、近くの山と含めて楽しむ登山家も多くいます。山頂には太神山不動寺があり、円珍作の不動明王が鎮座しておられます。景色も非常に良く、鈴鹿山脈や伊吹山などの山々を一望でき、雄大な自然のパノラマを楽しめるでしょう。
土砂崩れに悩まされた地域でもあるため、歴史的な砂防ダムも多く、明治時代にオランダ人技術者のデレーケが指導したと言われる「オランダ堰堤」も必見です。
実は良質なトパーズが取れるとしても有名で、明治時代には7トン~8トンものトパーズが輸出されていました。現在はほとんど取れなくなっていますが、史跡も残されているので覗いてみるのもオススメです。
所在地 | 滋賀県大津市田上森町 |
アクセス | JR琵琶湖線:石山駅から帝産湖南交通バス「湖南アルプス」行きに乗車し、「アルプス登山口」で下車 車:草津ICより約10分(駐車場あり) |
お問い合わせ | (公)びわ湖大津観光協会 TEL:077-528-2772 |
10月の登山を楽しむためのポイント
10月は秋ということもあって、春や夏とは違った景色が広がっています。登山を最大限に楽しむためにも、以下の点を意識するようにしましょう。
- 防寒対策を徹底する
- ライトを必ず持参する
- 野生生物との遭遇に注意する
防寒対策を徹底する
10月の山は、日中と朝晩の気温差が大きくなります。特に山頂付近は風が強く、平地よりも気温が低い場合がほとんどです。体調を崩さないためにも、防寒対策は必須です。
体温低下による体調不良は、最悪の場合、遭難などのトラブルを引き起こす可能性があります。平地で暖かいからといって油断せずに、フリースやダウンジャケットなど、重ね着できる暖かい服装を用意しましょう。
念のため、手袋や帽子も忘れずに持参し、防寒対策は万全な状態にしておいてください。
ライトを必ず持参する
10月は日が暮れるのが早くなる頃合いです。また、思わぬ天候の変化で下山が遅れてしまう可能性もあるでしょう。
明るい内は気軽に歩けていた道も、暗くなると一気に見えなくなるため、足下が危険になります。安全に下山するためにも、ライトは必ず持参しましょう。
特にオススメなのはヘッドライトです。両手がフリーになるので、暗い道での転倒防止や、遭難防止につながります。
念のため、予備電池も一緒に持っておくと良いでしょう。万が一のため、明るさの調整ができるライトだと重宝します。
野生生物との遭遇に注意する
秋は、動物たちが活発になる季節です。登山中は野生動物に注意しましょう。クマや蛇など、危険な動物がいる可能性があります。鈴を鳴らしたり、大きな声を出したりして、自分の存在を知らせながら歩きましょう。
また、10月はスズメバチが凶暴化する季節でもあります。次世代の女王バチが旅立つ時期なので、巣に近付くだけでも危険です。登山中に飛んでいるハチを見かけたら、距離を取るようにしましょう。
食べ物やゴミも動物を引き寄せる要因になるため、全て持ち帰り他の登山客に迷惑をかけないようにすることも大切です。
10月は登山が楽しい季節。安全に注意して滋賀県の山を楽しもう
10月の滋賀県は、山々が美しい紅葉をし始める頃です。涼しい気候でもあるため、登山に最適な季節といえるでしょう。
特にびわ湖は周囲を山に囲まれているため、登山ができる場所が豊富にあります。初心者でも楽しめる山も多いので、ポイントを押さえて、安全に登山を楽しみましょう。
ただし、どれだけ初心者向けといっても登山は危険なアクティビティです。防寒対策やライトといった準備をして、万全の状態で秋の登山に挑戦してみてくださいね。