コラム

排水溝を自分でお手入れする方法とは?頻度や掃除のサインを紹介

汚れが頻繁に発生しやすい水回りで、特に汚れが気になる部分が排水溝ではないでしょうか。建物の中にはさまざまな場所に排水溝があり、汚れを放置すると詰まりなどのトラブルの原因になります。

今回は、場所別の排水溝汚れの原因や自分でできるお手入れ方法、排水溝のお手入れのタイミングやお手入れの頻度について解説していきます。排水溝が詰まった場合の解消方法についても紹介しているため、建物を所有しているオーナー様はぜひ参考にしてください。

排水溝汚れの原因

排水溝と言っても、場所によって汚れの原因はさまざまです。基本的に建物の水回り部分には排水溝があり、それぞれの原因は異なります。

お風呂の排水溝汚れの原因

お風呂はさまざまなものを流すことが多く、主に以下の5つの原因があります。

・髪の毛
・ピンク汚れ
・皮脂
・石鹸カス
・カビ

髪の毛

排水溝の汚れの大きな原因の一つが、抜け落ちた髪の毛です。人間は頭皮になんの問題がなくても1日あたり50〜100本ほどの髪の毛が抜けると言われており、シャンプー中などで抜けた髪の毛は排水溝に溜まってしまいます。ほとんどの排水口にはヘアキャッチャーがついていますが、中にはヘアキャッチャーをすり抜けて排水管に入ってしまうことも少なくありません。髪の毛は汚れの中でも面積が大きく、排水管の中で溜まると詰まりの原因となってしまいます。

ピンク汚れ

ピンク汚れはカビに思われがちですが、実は酵母菌の一種である「ロドトルラ」が正体です。ピンク汚れはカビよりも繁殖スピードが早いと言われており、こまめに掃除してもすぐに発生していしまいます。ピンク汚れを放置すると黒カビが発生しやすくなるため、こまめなお手入れが必要です。

皮脂

人間の体には皮脂や垢などの汚れがついており、シャワーで体を流すとこれらの汚れが流れ落ち排水溝に溜まります。お風呂は特に皮脂汚れが多く、溜まったまま放置するとカビや雑菌の養分となり繁殖のきっかけになってしまいます。

石鹸カス

石鹸カスとは、石鹸と水道水のミネラル分が化学反応を起こしたものです。石鹸カスは水に溶けにくい性質があるため、排水溝に溜まると汚れや詰まりの原因となります。特にお風呂の石鹸カスはシャンプーやボディーソープの油脂成分と皮脂汚れが混ざっているため、粘性があるのも特徴の一つです。

カビ

カビは高温多湿の環境を好む特徴があり、お風呂は絶好の繁殖場所です。さらにカビの養分となる皮脂汚れや石鹸カスも多く、適切な対処や予防を行わないとすぐにカビが発生してしまいます。カビを放置すると排水溝だけでなくお風呂全体にカビが発生してしまい、健康に悪影響を及ぼすこともあります。

トイレの排水溝汚れの原因

トイレの排水溝は、主に以下の3つによって汚れる可能性が高いです。

・尿石
・水垢
・カビ

尿石

尿石とは、人の尿に含まれている尿素やたんぱく質などの成分が細菌の働きで変質し、便器や配水管内、周辺の床や壁に付着したもののことです。一度尿石ができると雑菌の温床となり、さらに雑菌が繁殖して尿石が増えてしまいます。尿石は汚れの中でも特に取りにくいもののため、尿が尿石に変化する前にお手入れすることが大切です。

水垢

トイレを流すときに使用する水にはケイ酸塩が含まれており、ケイ酸塩を放置すると水垢汚れに発展します。基本的に水垢は目立ちにくく、早くお手入れすると落としやすい汚れの一つです。しかし、水垢を放置するとホコリが付着してしまい、黒い頑固な汚れに繋がってしまいます。そうなると汚れを落としにくくなるので、水垢の段階でお手入れを行う必要があります。

カビ

トイレは常に水が溜まっている環境なので、カビが発生しやすい場所です。カビが発生すると黒いポツポツとした汚れが目立つだけでなく、健康にも被害を及ぼすかもしれません。カビの嫌な臭いを感じたりカビがダニを引き起こす可能性もあるので、早めの対処が必要です。

キッチンの排水溝汚れの原因

キッチンの排水溝が汚れる原因には、以下の4つが挙げられます。

・油
・食べカス
・水垢
・雑菌

キッチンは食器や調理器具を洗う機会が多いため、調理に使った油が排水溝に溜まり汚れを引き起こすことが多いです。油は液体のため、水切りネットなどで簡単に防ぐことができません。少量の油でも長年蓄積すると、大きな石のように固まってしまうこともあります。

食べカス

キッチンでは毎日食べ物を扱うため、生ゴミや食べカスが排水溝に溜まることが多いです。その食べカスが排水口に溜まると、排水溝の汚れや詰まりの原因になります。大きい食べカスは水切りネットで防ぐことができますが、小さい食べカスは排水管にまで届いてしまう可能性もあります。排水溝はきれいに見えても、排水管の奥で汚れている場合もあるので注意が必要です。

水垢

キッチンの水垢は、水道水に含まれるミネラル分が固まったものです。キッチンの排水溝周りによく付着する白い汚れの原因は水垢であり、一度水垢がつくと簡単に落とすことはできません。頑固な水垢汚れは掃除が大変なため、水垢が付着したらすぐにお手入れすることが大切です。

雑菌

さまざまな食べ物を扱うキッチンは、特に雑菌が繁殖しやすい場所です。雑菌を放置すると汚れだけでなくヌメリやカビを引き起こす可能性があるので、キッチンの排水溝はこまめにお手入れしましょう。雑菌は目に見えにくいため、見える前にお手入れすることが大切です。

排水溝を自分でお手入れする方法とお手入れ頻度

建物の排水溝は、お手入れをしなければすぐに汚れてしまいます。排水溝のお手入れは、自分で行うことが可能です。ここからは、場所ごとの排水溝のお手入れ方法と理想的なお手入れの頻度について解説していきます。

・お風呂の排水溝の場合
・トイレの排水溝の場合
・キッチンの排水溝の場合

お風呂の排水溝の場合

高温多湿な環境になりやすいお風呂は、カビが発生しやすいため月2〜3回程度のお手入れが理想的です。お手入れを怠ると目に見える汚れが付着したり汚れがヌメヌメとした気持ち悪い感触になったりするため、そうなる前に日頃からお手入れを行いましょう。

お風呂の排水溝のお手入れを自分で行う場合は、基本的に中性洗剤を使って掃除することが一般的です。お風呂の排水溝にあるヘアキャッチャーは、髪の毛や埃などのゴミをこまめに取り除きましょう。トラップの掃除は、週一回程度することをおすすめします。

できるだけ洗剤を使いたくないという方は、重曹とクエン酸を使うのがおすすめです。重曹とクエン酸は、一緒に混ぜると化学反応を引き起こします。その際に洗浄力の高い泡が発生し、石鹸カスやカビなどのさまざまな汚れを解消してくれます。

トイレの排水溝の場合

現在使われているトイレのほとんどの便器には汚れ防止などのコーティングが施されているため、トイレのお手入れに洗剤を使うのはおすすめできません。洗剤の代わりに汚れのお手入れに効果的なのが、重曹とクエン酸です。化学反応によってできる泡が、さまざまな汚れを落としてくれます。ただし、頑固な汚れの場合は洗剤が必要になることもあります。そのような場合は、便器を傷つける可能性が低い中性洗剤を使いましょう。

トイレの排水溝は、最低でも週に1回以上のお手入れが必要です。お手入れを怠ると、頑固な汚れになったり嫌な臭いが発生したりなど、さまざまなリスクが起こります。

キッチンの排水溝の場合

キッチンもトイレと同じよう、ほとんどのシンクにコーティングが施されています。そのため、油汚れなどを解消するには重曹が効果的です。キッチンの排水溝はフタやゴミ受け、排水トラップなどパーツが多いので、すべてのパーツをきれいにしましょう。重曹では効果が見えづらい方は、トイレと同じよう中性洗剤の使用もおすすめです。

キッチンの排水溝は、最低でも週に1回以上のお手入れが必要です。ぬめりや嫌な臭いが発生する前に、日頃から定期的にお手入れを行いましょう。目に見えない食材のカスなどが排水溝に詰まっている可能性もあるので、目の細かいブラシなどを使って丁寧に掃除するのがおすすめです。

排水溝が詰まった場合の解消方法

排水溝の汚れは、排水溝や排水管の詰まりを引き起こすことも少なくありません。排水溝の汚れを放置して万が一詰まってしまった場合は、以下の方法で詰まりを解消することができます。

・布とお湯を使う
・ラバーカップを使う
・ワイヤーブラシを使う

布とお湯を使う

排水溝や排水管の詰まりを解消する手軽な方法の一つが、布とお湯を使う方法です。排水溝のフタやゴミ受けなどの部品をすべて外し、排水管の周りや排水管の中に布を入れ布で栓をします。排水管を布で塞いだら、熱いお湯を7〜8分目の高さになるよう張りましょう。

お湯が貯まったら、布を一気に引き抜きます。大量のお湯による水圧が排水管に加わることで、排水管詰まりの解消が期待できます。お湯が熱すぎる場合排水管内部を傷める可能性があるので、素材にあわせて適切な温度を選びましょう。

ラバーカップを使う

ラバーカップとは、主にトイレの詰まりを解消するのに使うスッポンなどと呼ばれる掃除道具です。ラバーカップは、トイレだけでなくさまざまな排水管の詰まりを解消することができます。トイレと同じものを使うのに抵抗がある方は、場所別のラバーカップを用意しておくと安心です。

まずは詰まっている部分に水を張り、ラバーカップを排水溝に隙間ができないよう押し当てて一気に引き抜きます。勢いよく引き抜くことで、圧力により詰まりが解消されます。

ワイヤーブラシを使う

圧力で詰まりが解消できない場合は、直接的に詰まりの原因を取り除きましょう。そこで効果的なのが、ワイヤーブラシです。排水溝のフタなどを取り外し、排水管にワイヤーブラシを入れます。動かなくなるまでワイヤーブラシを入れていくと、詰まりの原因にたどり着きます。

詰まりの原因にたどり着いたら、ワイヤーを回転させながら汚れを削り取りましょう。少しずつ詰まりの原因が削れていき、引っかかる感触がなくなれば詰まりの原因が除去されています。

排水溝のお手入れのタイミング

排水溝のお手入れには、場所ごとに理想的な頻度があります。しかし、「忙しくてそんな頻繁にお手入れできない!」という方も多いのではないでしょうか。定期的に排水溝をお手入れできない場合は、3つのサインがしたらお手入れを行いましょう。

・水の流れが悪くなったとき
・排水溝から異音がしたとき
・嫌な臭いがしたとき

水の流れが悪くなったとき

排水溝に汚れが溜まると、水が詰まってしまい流れが悪くなります。そのため、普段より水の流れの悪さを感じたら、排水溝のお手入れを行いましょう。簡単なお手入れを行うだけで、水の流れが改善します。

排水溝から異音がしたとき

排水管の内部が詰まったり汚れが溜まったりすると、水がうまく流れずゴボゴボという異音が起こることがあります。異音が発生している段階では、完全に詰まったわけではありません。しかし、そのまま放置すると完全に詰まって自分で解消できないこともあるので、排水溝から異音がしたらお手入れのサインです。

嫌な臭いがしたとき

排水溝から嫌な臭いがしたら、お手入れのサインです。汚れやヌメリは悪習を放つ場合があり、お手入れしなければ嫌な臭いがずっと続きます。汚れの原因によってさまざまな臭いが発生するため、嫌な臭いを感じたらすぐにお手入れを行いましょう。

まとめ

排水溝の汚れは、お風呂・トイレ・キッチンなど場所によってさまざまな原因があります。排水溝の汚れは自分でもお手入れすることができ、原因によって使うべき洗剤の種類が異なります。原因がわからない場合は、重曹やクエン酸を活用して汚れを落としましょう。

排水溝のお手入れは理想的な頻度がありますが、定期的なお手入れが難しい場合は今回紹介した3つのサインを参考にしてください。所有している建物や部屋の数が自分で排水溝のお手入れを行うのが難しいという方は、水回りなどの住まいのメンテナンスを行う「日本中央住販カスタマーサービス」にお任せください。当社の建物を所有しているオーナーの方以外でも、お気軽にご相談いただけます。

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