お風呂にはさまざまな汚れがありあすが、中でもヌメっとしたピンクの汚れは目立ちますよね。多くの人がピンクの汚れをカビだと認識していますが、実はカビによる汚れではないんです。この汚れは掃除をしても数日後には再び現れる厄介なものなので、効果的な落とし方や予防法を知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回は、カビが原因だと思われがちなピンクの汚れの原因、落とし方や予防法について解説していきます。本格的な夏が始まる前に、お風呂などの水回りをきれいにしておきたい方はぜひ参考にしてください。
実はカビじゃない!お風呂のピンク汚れの原因
排水溝の周りやシャンプーやリンスなどの小物の底に発生しやすい、ヌメっとしたピンク汚れ。お風呂の汚れはカビが原因だと思われがちですが、実はピンク汚れはカビではありません。お風呂のピンク汚れの正体は、「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌の一種なんです。まずは、ピンク汚れの原因である「ロドトルラ」の特徴について見ていきましょう。
酵母菌「ロドトルラ」の特徴
酵母菌とは、糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物のことです。野菜や果物の表面、空気中など自然界のあらゆる場所に生息しています。昔からお酒作りやパン作りに酵母菌は活用されており、発酵食品にも使われていることが多いです。
お風呂のピンク汚れの正体「ロドトルラ」も空気中に常在しており、湿度の高い場所や20~30℃の温度の場所を好みます。皮脂や石鹸のカスを養分とするため、条件が揃っているお風呂などの水回りに多く発生するのです。
「ロドトルラ」は、カビ汚れよりも繁殖スピードが速いのも特徴の一つです。さらに繁殖力も強いため、一度掃除してもすぐにピンク汚れが再び発生してしまいます。「ロドトルラ」はピンク色のため、お風呂だけでなくバスタオルやボディタオルなどの布製品に色移りする可能性も高いです。
お風呂のピンク汚れを効果的に落とす方法
掃除してもすぐにお風呂のピンク汚れが発生するという方は、落とし方に問題があるかもしれません。お風呂のピンク汚れは見た目を損ねるだけでなく、放置するとさまざまな問題を引き起こすため適切な処置が必要です。お風呂のピンク汚れを効果的に落とす方法には、以下の3つが挙げられます。
・重曹を使う
・塩素系カビ取り剤を使う
中性洗剤を使う
お風呂の汚れはカビが原因ではないため、中性洗剤を使うだけで簡単に落ちることが多いです。中性洗剤とは、液性が中性の合成洗剤のことです。台所用洗剤や洗濯用洗剤、掃除用洗剤として広く使われており、ドラッグストアやスーパーなどで簡単に購入できます。
ピンク汚れの部分に中性洗剤をかけ、柔らかいスポンジを使って優しくこすりましょう。硬いスポンジを使ったりこすりすぎたりすると、浴室や浴槽の表面に傷がつくので要注意です。中性洗剤の中には、ピンク汚れに特化したものも販売されています。どの洗剤を選ぶべきかわからない方は、ピンク汚れに特化した中性洗剤を選びましょう。
重曹を使う
重曹とは、さまざまな場所の掃除や料理に使われる万能性の高い粉です。重曹を水に溶かすと弱アルカリ性になり、酸性の性質を持つ「ロドトルラ」のピンク汚れを中和する役割があります。
お風呂に限らず、汚れを落とす基本はアルカリ性・酸性を中和させることです。酸性の汚れにはアルカリ性のものを使い、アルカリ性の汚れには酸性のものを使うことで効果的に落とすことができます。
重曹をお風呂掃除に使うには、100mlの水に対して小さじ1杯程度の重曹を溶かします。仕上がった重曹水をスプレーボトルに入れて、ピンク汚れに直接吹きかけましょう。そのまま10分程度放置して、シャワーで洗い流すことでピンク汚れを除去することができます。
重曹は料理にも使われるものであるため、人体に無害な洗剤としても人気が高いです。臭いを中和する効果もあり、お風呂場のピンク汚れだけでなく冷蔵庫や生ゴミ箱、靴箱などに使うこともできます。粒子が大きいため、肌が傷つきやすい方はゴム手袋をして取り扱いましょう。
塩素系カビ取り剤を使う
お風呂のピンク汚れである「ロドトルラ」は、カビが原因の汚れではありません。しかし、塩素系の洗剤やカビ取り剤でも汚れを落とすことができます。塩素系の洗剤やカビ取り剤を使うことで、ピンク汚れだけでなく黒カビなども効率的に落とすことが可能です。
気になる汚れの部分に塩素系の洗剤やカビ取り剤を吹きかけ数分置き、シャワーで洗い流しましょう。中性洗剤やエタノールは汚れた部分を拭き取らなければいけませんが、塩素系カビ取り剤はシャワーを使うだけでいいので、ピンク汚れに直接触れたくない方におすすめです。
塩素系の洗剤やカビ取り剤は強力な除菌・漂白効果があるため、使用する場合は手袋やマスクなどの保護具を着用してください。浴室や浴槽によっては利用できないこともあるので、製品の指示に従い正しく使用しましょう。使用中は必ず十分な換気を行い、化学物質が室内に充満しないよう注意が必要です。
お風呂のピンク汚れを予防する方法
お風呂場はピンク汚れの正体である「ロドトルラ」が発生しやすい条件が揃っているため、頻繁に掃除してもピンク汚れが発生しやすいです。「ロドトルラ」はヌメヌメした感触だけでなく、ピンク色の汚れが目立つためなるべく発生させたくないですよね。ここからは、お風呂のピンク汚れを予防する5つの方法を紹介していきます。
・お風呂の水気を無くす
・小物を水はけの良い場所に置く
・お風呂の蓋を閉める
・浴室乾燥機を活用する
冷たいシャワーを浴室にかける
お風呂のピンク汚れの正体「ロドトルラ」は、高温多湿の環境を好む特徴があります。使用後のお風呂は温度があがり湿度が多い状態になっているので、ピンク汚れやカビが繁殖しやすいです。「ロドトルラ」が好む環境を防ぐために、お風呂の使用後は冷たいシャワーをかけて浴室の温度を下げましょう。
お風呂の水気を無くす
お風呂のピンク汚れは湿度の高い環境を好むため、浴室の水気を残すとどんどん繁殖してしまいます。「ロドトルラ」を予防するには、お風呂を使った後は乾いたタオルなどで拭いてできるだけ水気を無くしましょう。
しかし、お風呂は毎日使う場所なので、すべてを全部拭きあげるのは大変ですよね。「お風呂全てを拭きあげるのは難しい!」という場合は、ピンク汚れが起こりやすい排水溝や床の角などを重点的に拭き取るだけでもピンク汚れの繁殖を予防する効果があります。
小物を水はけの良い場所に置く
シャンプーやボディーソープ、洗面器やイスなどの小物の底には水が溜まりやすく、ピンク汚れの「ロドトルラ」が起こりやすいです。毎回水気を拭き取るのが面倒という方は、これらの小物を水はけの良い場所に置くだけでもピンク汚れ発生の予防になります。
ピンク汚れを予防するには、小物の底をお風呂の床につけない吊り下げ収納も効果的です。フックなどを使って壁などに吊るして小物を収納すると、ピンク汚れの予防だけでなく狭い空間を有効に活用でき掃除がしやすくなります。
お風呂の蓋を閉める
浴槽に水を溜めた際、お風呂の蓋を開けっ放しにする方もいるのではないでしょうか。お風呂の蓋を開けっ放しにすると浴室内が高温多湿状態になり、ピンク汚れが繁殖しやすい環境になってしまいます。ピンク汚れの「ロドトルラ」を防ぐには、定期的にお風呂の蓋を閉めて浴室内の温度と湿度を下げましょう。
お風呂の蓋を閉めることは、ピンク汚れだけでなくカビを防ぐにも効果的です。お風呂の追い焚きをする場合は、溜めたお湯が冷めにくく浴槽内に汚れが入るのを防ぐ役割もあります。省エネにもつながるので、お風呂の蓋を閉めるクセをつけましょう。
浴室乾燥機を活用する
お風呂に浴室乾燥機がついている場合は、上手に活用することでピンク汚れの予防になります。浴室乾燥機を使うことで、ピンク汚れを繁殖させる原因になる湿度を減らすことができます。入浴後、2時間ぐらい乾燥運転を行い、浴室の水気を取りましょう。浴室乾燥機を使うと、毎回水気を拭き取る手間もかかりません。
多くの浴室乾燥機には、換気機能と乾燥機能のどちらもついているものが多いです。効果的にピンク汚れを予防するには、乾燥機能を使うのがおすすめです。換気機能だけでは水気を完全に無くすことができないため、乾燥機能を使って高温多湿が好きなピンク汚れやカビを防ぎましょう。
お風呂のピンク汚れを放置すると起こり得ること
ピンク汚れは、ヌメヌメした感触や目立つ色の汚れに嫌悪感を抱くことが多いです。しかし、「ピンク汚れの掃除は面倒だし、放置しても特に問題はないのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。お風呂のピンク汚れを放置すると以下の2つの問題が起こり得るため、可能な限りピンク汚れの予防と対処を行いましょう。
・健康に悪影響を及ぼす
黒カビが発生する
黒カビとは、お風呂のタイルの隙間や角などに発生しやすい黒い点のようなカビのことです。高温多湿の環境を好み、皮脂や石鹸カスなどの汚れを栄養分とするためお風呂に発生しやすい特徴があります。黒カビは時間が経つとさらに繁殖して落としにくくなるため、できるだけ発生させないように予防することが大切です。
ピンク汚れの「ロドトルラ」と黒カビはどちらも高温多湿の環境を好み、発生条件は類似しています。そのため、ピンク汚れを放置するとさらに厄介な汚れである黒カビが発生してしまうかもしれません。さらに、ピンク汚れの「ロドトルラ」は酵母菌の一種であるため、黒カビの栄養源になる恐れもあります。ピンク汚れを放置すると黒カビが起きる可能性が高まるため、なるべく迅速に対処しましょう。
健康に悪影響を及ぼす
ピンク汚れの「ロドトルラ」は、酵母菌の一種であるため人体に大きな影響はありません。しかし、ピンク汚れを放置するとできる黒カビは、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。カビの一種である黒カビが含まれた空気を吸い込むことで、肺炎や喘息、過敏性のアレルギー症状につながることがあります。特に免疫力が下がっている方が黒カビを吸うことで、発熱などの病気が発生する可能性も高いです。
ピンク汚れには直接的に健康への悪影響はありませんが、ピンク汚れを栄養分にして黒カビが発生すると健康被害が起こり得ます。大切な家族の健康を守るためにも、ピンク汚れは定期的に予防を行い発生したら迅速に取り除きましょう。
まとめ
一見カビだと思われがちなピンク汚れの正体は、実は酵母菌の一種である「ロドトルラ」です。ピンク汚れはお風呂場などの高温多湿な場所に多く発生しやすく、カビ汚れよりも繁殖スピードが早い特徴があります。ピンク汚れは見た目が感触が気持ち悪いだけでなく、放置すると健康被害にも悪影響を与える黒カビの発生にもつながります。
そのため、お風呂のピンク汚れは今回紹介した3つの方法で適切な対処を行いましょう。ただし、お風呂場は「ロドトルラ」が好む高温多湿の環境であるため、頻繁に掃除してもピンク汚れが発生しやすいです。お風呂のピンク汚れを予防するためには、日常生活から今回紹介した5つの方法を取り入れましょう。
今回紹介したピンク汚れの対処法と予防法は、すべてひと手間かかるものばかりです。「ピンク汚れのために掃除や予防をするのは面倒!」という方は、プロの専門業者に相談するのがおすすめです。「日本中央住販カスタマーサービス」は、水回りなどの住まいのメンテナンスを行う会社です。当社にて建物を所有しているオーナーの方だけでなく、他社で建築された建物のメンテナンスもお気軽にご相談ください。